関節可動域制限について 〜組織と不動の関係性〜

関節可動域制限について 〜組織と不動の関係性〜

こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。

理学療法士大塚久

前回は筋肉の構造と役割についてお伝えしました。
>>>関節可動域制限について 〜筋肉の構造と機能編〜

今回は組織の不動と関係性についてお伝えします。

 

不動期間による組織の変化について

不動期間と組織の変化については以下の通りです。

皮膚

皮膚は不動き間の全てにおいて約10%程度の影響があると言われています。4週間以上の不動で組織が変化してくると言われています。

 

筋・筋膜

どちらも可動域制限の中で50〜70%程度影響します。特に不動から一週間以内は筋の長さの変化による短縮、それ以降は筋の組織が繊維化し、伸張性が低下します。

 

靭帯

靭帯は3週間ほどで組織の変化が起きるとされています。しかし、そもそも靭帯の役割が正常な関節可動域から逸脱しないように制御することなので膝関節など一部の関節を除いては制限因子としての影響は他の組織に比べて少ないとされています。

 

関節包

筋・筋膜と同等程度に関節可動域制限に影響しています。不動1週間からコラーゲン繊維が増加し、3-4週で関節包自体が肥厚してきます。肥厚してしまうと伸張性は低下しますので必要以上の不動状態を避けるのが望ましいと考えます。

 

軟骨・滑膜

不動3週間ごろよりヒアルロン酸やプロテオグリカンが低下し、関節運動に制限が見られるようになります。筋や関節包に比べると影響は少ないと考えられますが、組織の滑走に必要な要素なのでこの2つの影響を無視するわけにはいきません。

 

不動をいかに予防するか?

不動によって様々な組織が変化し、線維化していきます。線維化してしまうとコラーゲン組織の半減期は約300日とされており、改善は困難となります。いかに早期から不動を予防し、組織の線維化を防ぐことが関節可動域の維持の最優先事項と考えます。

 

まとめ

関節可動域制限について 〜組織と不動の関係性〜

  1. 組織の繊維化が起こると改善は困難
  2. 不動を防ぐことが大事
  3. 特に影響が強いのが関節包と筋膜

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