理学療法士・作業療法士の皆様、こんにちは!
毎週月曜日にお届けしている、リハコヤのライブ配信アーカイブ記事です。
本日は、臨床でよく遭遇する関節可動域訓練(ROMex)の考え方について、股関節を例に徹底解説します!
先日、「股関節の屈曲制限と伸展制限がある場合、どのようにアプローチすれば良いですか?」という質問をいただきました。
皆さんは、どのように考えますか?
重要なのは、制限がなぜ起きているのかを正確に評価することです。
例えば、ハムストリングスの短縮が原因で屈曲制限が起きているのに、関節包にアプローチしても効果は期待できません。
評価なくして治療なし!原因を特定することが、改善への第一歩です。
股関節の可動域制限に関わる靭帯と筋組織
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股関節の可動域制限を引き起こす可能性のある組織は、肢位によって異なります。
- 膝関節伸展位での股関節屈曲:ハムストリングス、薄筋、坐骨大腿靭帯下部、下方関節包
- 膝関節伸展位での股関節伸展:腸骨大腿靭帯、前方関節包、恥骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯
- 膝関節屈曲位での股関節伸展:大腿直筋
これらのうち、どの組織が制限因子となっているのか、評価によって特定していく必要があります。
股関節伸展制限の評価:臨床でのアプローチ
臨床では、股関節の伸展制限に遭遇することが多いため、今回は伸展制限の場合に焦点を当てて解説します。
可動域制限がある場合、まずはend feelを丁寧に感じ取りましょう。
その際、制限の原因が筋性なのか、関節包や靭帯性なのかを判断します。
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筋性の制限の場合
腸腰筋と大腿直筋の短縮を疑います。
腸腰筋の評価:トーマステスト
腸腰筋が短縮していないかを判断するために、トーマステストを実施します。
トーマステストが陽性の場合、腸腰筋由来の可動域制限と考え、腸腰筋に対するアプローチを開始します。
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大腿直筋の評価:エリーテスト
大腿直筋の短縮を調べるために、エリーテストを実施します。
エリーテストが陽性の場合、大腿直筋由来の可動域制限と考え、大腿直筋に対するアプローチを行います。
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靭帯・関節包性の制限の場合
股関節伸展のend feelが靭帯・関節包性だった場合、パトリックテストを行い、陽性ならば股関節や仙腸関節に対するアプローチを検討します。
このように、一つ一つの評価を丁寧に行うことで、原因を特定し、適切なアプローチを選択することができます。
ぜひ、明日からの臨床に活かしてみてください。
まとめ
関節可動域訓練における考え方のポイントは以下の通りです。
- end feelを感じ、筋性なのか関節包・靭帯性なのかを判断する。
- 触診や整形外科テストを用いて、原因部位を特定する。
- 一つ一つ丁寧に評価することで、関節可動域制限に対する適切なアプローチが可能になる。
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