毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
本日は、触診技術を向上させるためのポイントをお伝えしていきます。
新人療法士が臨床に出ると、先輩から「まずは触診」「触診が大事」などと言われることも多いと思います。
確かに触診ができることは大事ですが、なぜその部位の触診が必要なのかを知らなければ、臨床に活かすことはできず、触らなくなってしまいます。
触診の目的をしっかりと理解した上で触診の練習をするようにしましょう。
触診はなぜ必要なのか?
では、触診がなぜ必要なのか、考えてみましょう。

確実に触診が行えることで、評価・アプローチの有効性・再現性が向上します。それにより、確実な評価・アプローチの獲得が可能になります。

また、ラポール形成にも繋がってきます。
療法士が“触れる”ことは、患者さん・利用者さんにとっては“触れられる”ということです。何気なく触れてしまっているかもしれませんが、触診の際には相手がどう感じているのかを常に考えることが重要です。
触診を向上させるためには?

療法士活性化委員会のセミナーでもお伝えしている内容ですが、Andre’e Aubinらは触診の技術の向上方法について、以下のように提唱しています。
1.セラピストが快適と感じる位置を取れていること
2.解剖を3Dでイメージできること
3.組織とコンタクトする深さを知ること
4.何に、何のために触ろうとしているのか目的を明確にすること
5.触診ポイントと関連する箇所の動きを確かめること
6.上記5段階を最適化できるよう微調整を行う7。評価または徒手的介入へ移行する
特に、1.セラピストが快適と感じる位置を取れていることについては、集中しすぎると前のめりになってしまい、患者さん・利用者さんとの距離が近付き過ぎている場合があるので注意しましょう。この場合、重心位置が自分の支持基底面から外れて相手に頼ってしまっており、余計な力が加わってしまいます。

筋収縮は、運動覚の制度に対しても影響を及ぼします。運動覚検査時に伸張される筋が安静にある状態と比較して、筋収縮した状態の場合に運動覚閾値が低値になることが示されています。この結果は、適切な量の筋収縮は運動覚の精度を高めるというポジティブに影響することを意味します。
この場合の運動覚とは、皮膚、筋、そして関節や腱などのさまざまな深部器官からの求心性入力が統合された結果のことを言います。
つまり、自分の身体が緊張しすぎている、あるいはリラックスしすぎている状態(相手との位置取りが適切でない状態)では手の感覚が悪くなるということです。逆に言えば、相手と適切な距離が取れていれば、手の感覚は良くなります。
日々意識して行うことが大切です。ぜひ臨床に活かしてみてください。
まとめ
触診技術を向上させるためには?
1. 触診が確実に行えることで、評価・アプローチの有効性・再現性が向上し、それにより、確実な評価・アプローチの獲得が可能になる。
2. 療法士が“触れる”ことは、患者さん・利用者さんにとっては“触れられる”ということである。触診はラポール形成にも繋がる。
3. セラピストが快適と感じる位置を取れている、つまり、相手と適切な距離が取れていれば、手の感覚は良くなり、触診技術の向上に繋がる。
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