肩関節の機能と解剖、評価について勉強してみた〜機能的関節編〜 

こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。

理学療法士大塚久

前回は肩甲胸郭関節の機能と解剖、評価について学んでいきました。肩甲胸郭関節は機能的な関節に分類され、その動きも様々なものがありました。( )今回は機能的な関節の残りの2つ第2肩関節とC-Cメカニズムについて勉強していきたいと思います。

機能的関節とは?

いわゆる解剖学的な関節ではなく、機能上、関節のような働きをする部位のことです。肩関節では健康胸郭関節、CCメカニズム、第2肩関節が機能的関節に分類されます。

関節構成要素役割
C-Cメカニズム烏口突起、烏口鎖骨靭帯、鎖骨鎖骨外側の制御、肩甲骨の懸垂、棘鎖角の制御
第2肩関節烏口突起、肩峰、烏口肩峰靭帯、上腕骨棘上筋、棘下筋の肩峰の滑走、腱板の押さえ込み、支点の形成

C-Cメカニズム

烏口鎖骨靭帯(円錐靭帯、菱形靭帯)で主に肩鎖関節の安定性を担っています。

  • 菱形靭帯:棘鎖角の減少(肩甲骨の内転、下方回旋、前傾)
  • 円錐靭帯:棘鎖角の増加(肩甲骨の外転、上方回旋、後傾)

を制御しています。
肩鎖関節脱臼Tossy分類Ⅲ以上で断裂と分類されるのがこの烏口鎖骨靭帯です。

烏口突起周囲の機械受容器

烏口鎖骨靭帯には機械受容器が豊富にあり、肩甲上神経を介して肩関節の運動制御機構、運動時通にも関与があります。烏口鎖骨靭帯の機能不全は肩関節の疼痛の原因としても考えられます。

第2肩関節

第2肩関節は烏口突起、肩峰、烏口肩峰靭帯、上腕骨で構成されており、烏口突起、肩峰、烏口肩峰靭帯で形成される烏口肩峰アーチの下に肩峰下滑液包と脂肪体が存在します。肩峰下滑液包と脂肪体が肩関節挙上時に烏口肩峰アーチと骨頭の間の滑走性を補助し衝撃や摩擦を軽減しています。肩峰下滑液包や脂肪体の可動性が低下することにより、肩峰下インピンジメントを起こし、疼痛の原因となります。

フォースカップル

フォースカップルとは2つ以上の筋活動によって1つの関節運動を起こすことを指します。
烏口肩峰アーチによって三角筋と棘上筋、棘下筋が分離され、肩関節挙上時に棘上筋、棘下筋が骨頭を臼蓋に押し付けつ作用と三角筋で挙上するフォースカップルを生み出しています。

C-Cメカニズム、第2肩関節のアプローチ

胸鎖・肩鎖関節のモビライゼーション

肩甲上腕関節のモビライゼーション

棘下筋のリリース

まとめ

機能的関節は

  1. 解剖学的な関節ではない
  2. 肩関節の動きを理解する上で非常に重要
  3. 可動性の低下により疼痛の原因となりうる

この3つがポイントとなります。

関節の機能を理解してより効率的にリハビリを行っていきましょう。
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参考文献・資料

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  20. PRiCO(ぷりこ)さんによるイラストACからのイラスト 
  21. 筒井よしほさんによるイラストACからのイラスト 
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