こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
何を評価していいかわからない!という悩みから、リハビリテーション実施計画書を元にどういった評価をすればいいかを全9回に渡ってお伝えしてきました。今回はそのまとめです。
そもそもリハビリをするのに実施計画書は必要
急性期から回復期、維持期・生活期まで一貫したリハビリテーションの提供を進めるとともに、疾患別リハビリテーションに係る事務手続きを簡素化するため、疾患別リハビリテーションの通則等について、以下のとおり見直す。
- 「リハビリテーション実施計画書」の位置づけを明確化する。
・疾患別リハビリテーションの実施に当たっては、リハビリテーション実施計画書を作成すること。
・リハビリテーション実施計画書の作成に当たり、ADL項目として、BI又はFIMのいずれか用いること。- リハビリテーション実施計画書の作成は、疾患別リハビリテーションの開始後、原則として7日以内、遅くとも14日以内に 行うこととする。
- リハビリテーション実施計画書の作成前に行われる疾患別リハビリテーションについては、医師の具体的な指示の下で 行われる場合等に限り、疾患別リハビリテーション料を算定できることとする。
中央社会保険医療協議会 総会(第436回)個別事項(その11)について(厚生労働省HP)https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000572183.pdf
とあり、リハビリをする上で実施計画書の内容を評価しないことにはリハビリができません。まずこの内容から評価してみましょう。
疾患に対する情報
最初のセクションは対象者の情報と疾患に対する情報を記載しましょう。
>>>何を評価していいかわからないのでリハビリテーション実施計画書を参考にしてみた 〜これみなきゃそもそもリハできないじゃん〜
リスクの評価
対象者のリスクについてポイントは
- バイタルサインからチェック
- 吸収・排泄もできているかチェック
- 項目順にリスクの優先順位になっている
>>>何を評価していいかわからないのでリハビリテーション実施計画書を参考にしてみた 〜その2 リスクの評価〜
機能の評価
対象者の身体機能・脳機能についてポイントは
- どんな疾患でも全てチェックすることが望ましい
- 身体機能と脳機能を分けて考えてみる
- 機能障害の回復と回復できないものは代償の方法を考える
>>>何を評価していいかわからないのでリハビリテーション実施計画書を参考にしてみた 〜その3 機能の評価〜
能力の評価
対象者の能力の評価についてポイントは
- ADLに必要な基本的動作を評価する!
- 自立、一部介助、全介助の基準はFIMを参考にしてみる!
- 介入の順番は環境設定→身体機能の順に行う!
>>>何を評価していいかわからないのでリハビリテーション実施計画書を参考にしてみた 〜その4 能力の評価〜
FIMについて
- 今回の計画書から前後比較ができるようになっている!
- 認知機能が含まれた、しているADLを評価している!
- 入院時から3日以内に評価する!
>>>何を評価していいかわからないのでリハビリテーション実施計画書を参考にしてみた 〜その5 FIMについて〜
Barthel Indexについて
- 評価が簡便で数値がわかりやすい、その分詳細な評価が別に必要。
- できるADLを評価している
- コミュニケーションの項目は含まれないので追記が必要
>>>何を評価していいかわからないのでリハビリテーション実施計画書を参考にしてみた 〜その6 Barthel Indexについて〜
栄養状態の評価
対象者の栄養状態の評価についてポイントは
- 栄養状態は体を維持するために必ず必要
- 筋肉、組織、ホルモンなど体はタンパク質が材料となる
- 栄養状態によっては運動がリスクになる場合がある
>>>何を評価していいかわからないのでリハビリテーション実施計画書を参考にしてみた 〜その7 栄養状態について〜
社会保障サービスの申請状況
社会保障サービスの申請状況についてポイントは
- いわゆるHandicapに関する評価項目
- それぞれ対象者の状態によって区分が異なる
- 金銭面や利用できるサービスは退院先を決定するのに重要な因子になる
>>>何を評価していいかわからないのでリハビリテーション実施計画書を参考にしてみた 〜その8 社会保障サービスの申請状況について
目標設定について
目標設定と治療方針についてポイントは
- 疾患、機能障害、基本動作に分けて記載する
- それぞれが独立したものではなく、獲得したい基本動作→そのための要素としての機能→その機能が傷害されている原因としての疾患とつなげて捉える
- ゴールがどこなのかを本人、家族、医療的な判断を総合して考える
>>>何を評価していいかわからないのでリハビリテーション実施計画書を参考にしてみた 〜その9 目標設定について〜
まとめ
リハビリテーション実施計画書は
- リハビリをする上で必ず必要な書類というだけでなく、対象者の全体像の把握するのにも有用
- 対象者のリハビリの経過を一貫して記録することができる
- 同一の書式を用いることでスタッフ間の情報伝達がスムーズになる
正直、リハビリテーション実施計画書を「めんどくさい書類だな」と思っている療法士の方が多いんじゃないでしょうか?僕自身もそう思っていました。しかし、リハビリテーション実施計画書はただ単に書類としての役割だけでなく、対象者の全体像の把握から、受傷時から退院・退所までの経過を疾患・機能・能力の分けて過去・現状・未来(予後予測)を一貫性を持って記録できるものです。また共通の書式を用いることにより多職種間や同職種間での情報伝達もスムーズになります。
めんどくさい書類だなと思わず、患者さん・利用者さんのために活用してください。
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