毎週木曜日は国家試験の問題と解説をしてきます!!
*あくまで療法士活性化委員会としての解説なので確実な正答を保証するものではありません。必ず自分で調べましょう!
問
廃用症候群の症状と予防法の組合せで誤っているのはどれか。
- 起立性低血圧 離 床
- 筋力低下 神経筋電気刺激
- 骨萎縮 機能的電気刺激
- 褥 瘡 体位変換
- 深部静脈血栓 弾性ストッキング
解答
3
解説
廃用症候群とは
病気や怪我などで身体を動かせない状態が続き、過度の安静や日常生活の不活発に伴って生じる身体的・精神的諸症状の総称です。 つまり不動による二次的な障害です。
筋骨格系
筋力低下、筋萎縮:不動による筋蛋白の合成低下、分解亢進、抗重力活動の減少など、
骨萎縮:不動による骨吸収亢進、低栄養状態など
関節拘縮:不動による結合組織の変性
循環器系
運動耐容能低下
起立性低血圧:不動による循環血液量低下と血管運動調節機能障害、心筋機能の低下
静脈血栓:不動による下肢筋群の筋収縮-弛緩ポンプ作用の減少
呼吸器系
換気障害・沈下性肺炎
消化器系
体重減少・低栄養・食欲低下・便秘
泌尿器系
尿路結石、尿路感染
精神神経系
鬱・せん妄・見当識障害・睡眠覚醒リズム障害
などがあります。
問題文を見てみると
- 起立性低血圧 離 床
- 筋力低下 神経筋電気刺激
- 骨萎縮 機能的電気刺激
- 褥 瘡 体位変換
- 深部静脈血栓 弾性ストッキング
骨萎縮の予防には
食事、運動、日光を浴びる、可動域訓練
が用いられるので解答は3となります。
これを臨床で活かすには?
廃用症候群の原因として
- 内的要因:疾患に付随した身体症状、精神症状により不動の状態
- 外的要因::外部環境が身体活動を制限している事による不動の状態
の2つがあります。
特に注意が必要なのが外的要因です。身体状況に特に不動の要素はなくても環境因子により不動の状態が作られることがあります。
例えば
- 介護者がいなくて外出ができない
- 交通機関がないので外出できない
- 引っ越したばかりで周りに知人がいない
- などと行った場合も不動の原因になりえます。この部分はICFの環境因子に含まれます。身体機能だけでなく、環境因子も合わせて評価しましょう。
リハコヤではリアルタイムで国家試験の解説をみんなで考えています。
悩める療法士のためのオンラインコミュニティリハコヤ
詳しくはこちら>>>リハコヤ
療活では患者さん、利用者さんの目的を達成のサポートができる療法士が増えることで療法士自身も、患者さん利用者さんも笑顔になることを目的に活動しています。
あなたも当たり前のことができるようになり「ありがとう」と言われる療法士になりませんか?
記事の目次ページへ →