毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
本日は、筋力訓練をする際の盲点についてお伝えしていきます。
筋力とは?

筋力とは、随意的な筋収縮によって起こる筋の張力のことで、筋繊維の太さや収縮した筋線維の数によって決まります。
筋力には筋持久力と筋パワーがあります。
筋パワーと筋持久力とは?

筋パワーとは、瞬間に最大筋力を出す能力のことを言います。MMTで測ることのできる筋力は筋パワーです。
筋持久力とは、与えられた負荷に対して繰り返し収縮を続ける能力のことで、繰り返しの回数や収縮時間を測定します。
普段のリハビリで行なっている筋トレは、筋パワーばかりになっていませんか?
本日は持久力についてもう少し詳しくみていきたいと思います。
持久力の種類について

持久力には、全身持久力と局所持久力の2種類があります。
全身持久力とは、全身の骨格筋の1/7〜1/6以上の筋が働く場合で、いわゆる呼吸・循環器による持久力のことです。
局所持久力とは、全身の骨格筋の1/7〜1/6以下の筋肉が働く場合で、いわゆる筋持久力のことです。
最大下の抵抗に対して特定の筋あるいは筋群が反復して収縮し続けることのできる能力のことを言います。
持久力をどう評価するか?

全身持久力は、呼吸・循環の持久力と捉えることができます。これに関与するのは、体内に酸素を取り込む呼吸器系とその酸素を運動器へ輸送する酸素運搬系です。
したがって、全身持久力は、最大酸素摂取量と心拍数を指標にするのが一般的です。

○ステップテスト
台を繰り返し昇降し、運動中の心拍数から全身持久力を評価する方法
【方法】
・高さ15cmの台を使用し、昇降運動は右足昇–左足昇–右足降–左足降の順、もしくはこの逆手順でおこないます。
・三段階の歩調で各3分間、合計9分間おこないます。各段階の運動開始後2分30秒から3分までの平均心拍数を計測します。

しかし、このステップテストの場合、若い方を対象にしたテストなので、私たち療法士が関わることの多い高齢者には使いにくいテストです。
そこで、高齢者の方でも行える持久力のテストをご紹介します。

○立ち座りテスト
・決められた回数(5回あるいは10回)を立ち上がるのに要した時間を計測する、もしくは決められた時間(30秒あるいは10秒)に立ち上がれた回数を計測します。


上の表に当てはめて、年齢相応の持久力があるのが良い/悪いではなく、その方の生活に必要な動作が長時間できるかどうかが全身持久力のポイントです。
例えば、トイレ介助に30秒の立位保持が必要な場合であれば、30秒立位保持ができる耐久性を作らなければなりません。
何秒立っていられればいいのか、どれくらいの距離を歩ければいいのかなど、その方の生活を基準に考えるようにしましょう。
まとめ
筋力訓練の際の盲点について
1. 筋力には筋パワーと筋持久力があり、MMTは筋パワーの評価である。
2. 持久力には局所持久力と全身持久力があり、全身持久力は、最大酸素摂取量と心拍数を指標にするのが一般的である。
3. 全身持久力のポイントは、その方の生活に必要な動作が長時間できるかどうかであるため、その方の生活を基準に考えることが重要である。
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