こんにちは! モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。
臨床場面で、肩関節疾患を抱える方にお会いすることはよくあると思います。
ですが、肩の動きが複雑で、どこが影響しているのか優先順位を立てて介入するのが難しいと思いませんか?
この記事では、肩関節のどこに優先的に介入したらいいか迷う方に向けて、分析するべきポイントを3つ解説します!
今回は、肩の屈曲動作を例にあげます。
肩関節の動きを分析するときのポイント
肩峰がすぐに頭方向へ動きはじめていないか
肩のランドマークである肩峰は、肩がスムーズに動くための「関門」です。
上腕骨の大結節が肩峰にぶつからずに、上腕骨を動かせることが
肩をスムーズに動かすためのポイントになります。
大結節が肩峰にぶつからないようにするには、大きく2つの方法があります。
1. 回旋筋腱板などの力で大結節を引き下げ、肩峰の下をくぐり抜ける(正常な肩の動き)
2. 肩峰を大きく上に持ち上げて、大結節と距離を取る(異常な肩の動き)
回旋筋腱板が機能し、上腕骨頭が安定していれば
2.のような動きは必要ないはずです。
つまり、肩を屈曲したときに
「肩峰がすぐに頭の方向へ動いているかどうか?」
(=肩甲骨がすぐに上方回旋するかどうか?)
を観察しておくと、
上腕骨の動きに問題があることが予測できます。
手をゆっくり下ろすとき、肩甲骨の下角は動いているか?
ADLを行ううえで、肩を動かすスピードを自力でコントロールできることは
大事なポイントです。
髪を乾かすときや髪型をセットするとき、
すばやく肩を動かすよりも、安定してゆっくり動かせることのほうが
大事ですよね。
ある程度、手を上げられるようになってきたものの
手をゆっくり下ろせず、重いものを手放すようにダランと手を下げる場合は
・回旋筋腱板が十分に機能していない
・肩甲骨が安定していない
ことが考えられます。
回旋筋腱板は肩甲骨から起始するので、
肩甲骨が安定していないと、十分に機能しない場合もあります。
なので、挙上からふたたび下垂していくとき、
肩甲骨の下角〜外側縁を触診して
「肩甲骨が上腕の動きにあわせて動いているか?」
を観察しておくと、
肩甲骨の安定性が問題であることが予測できます。
第7~12胸椎は伸展できるか
最後に注目するのは、第7~12胸椎です。
肩が動くとき、胸椎も動きます。
特に観察されやすいのは、第7~12胸椎の伸展といわれています。
(参照元:
肩関節周囲炎患者における胸椎可動性と上肢挙上時の肩関節・胸椎の動きの関係について
肩関節挙上動作に生じる脊椎伸展運動には主に下位胸椎が貢献する)
座位で屈曲動作を行う時に
「第7、12胸椎を触診させてもらい、伸展の動きがあるか?」
を観察するのは、じつは重要です。
まとめ
肩の動きに合わせて触診し、動作をみることができると、優先して評価・介入するポイントを見つけやすくなります。ぜひ今回の記事を参考に肩の動作分析に取り組んでみて下さい!
また、詳しい内容は以下の講義にてお伝えしておりますので
ご興味がありましたら、ご覧ください。
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【 特 徴 】
Basic・Assessmentコースで学んだ内容をもとに
寝返りの動作分析を、参加者同士で実践しながら学べます。
【 内 容 】
安定した体重移動の要となる、体幹の機能と特徴
座位・立位で肩を屈曲するために必要な、腹部~肋骨・胸骨~肩甲骨の動きのつながり方
安定して動けるために欠かせない、股関節と骨盤帯のつながり
- 各部位で重要となる部位へのアプローチ方法
・体幹→脊柱、腹筋へのアプローチ
・肩→肋骨周囲へのアプローチ
・股関節→股関節前面へのアプローチ
わからない部分は、いつでも質問できるところも このコースの特徴です( ^ω^ )
Basic・Assessmentの内容を、実戦形式で復習することにもなりますので
実技の面でもレベルアップします。
次の一歩へ進むために、まずは自分の動きを噛み砕いて分析してみませんか?
療法士活性化委員会 認定講師 吉田 頌平
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