いつもの動作観察にスパイスを!浴槽またぎでの骨盤帯の影響をかんがえる[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その109~]

こんにちは! モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。

 

今回は、浴槽をまたぐ動作の評価ポイントのうち

評価ポイント③ 上げた足を洗い場から浴槽へ移動する場面

に焦点をあて、
骨盤帯も評価できてたら良かったな〜っと思ったので紹介しようと思います!

これまでの内容をサクッと整理!

と、本題に入る前に…
前回までのコラムを少しふりかえります。

浴槽をまたぐ前段階で、
片足立位で、もう一方の股関節を外転する動きが出てくるため
両方の股関節 外転筋である中臀筋の働きを見ておきましょう!
とお伝えしてきました。

(前回までのコラムはこちら
 →浴槽をまたぐ動きをどう評価していいか迷いがちな人に届け!入浴のまたぎ動作を見るポイント
 →入浴動作を評価する選択肢のひとつになると思う。両側の股関節の動きに注目してみた。

さて、お待たせしました。
次から本日のテーマに移ります!

 

③上げた足を洗い場から浴槽へ移動する場面

評価のポイント

この段階では、骨盤より上にある身体を移動しつつ
上げていた下肢を浴槽内に接地していく動きが出てきます。

ですので、
『骨盤帯などを、安定して移動ができるか?』
が、重要な評価ポイントとなります。

今回は、骨盤帯に注目して考えていきますよ。

 

骨盤帯は、どんな働きをしているの?

浴槽をまたぎ、浴槽内へ移動するときに
骨盤は以下のような働きが求められます。

●遊脚側(浴槽に入れるほうの)下肢: 骨盤挙上
○立脚側(片足立ちをしている)下肢: 骨盤の安定化

これらの骨盤の動きには、内・外腹斜筋が大きく関わってきます。

内・外腹斜筋は、体幹の前屈や側屈、回旋の動きをコントロールしていますが
単独では骨盤を挙上したり、
協調して骨盤を安定させる作用も持っています。

 

どこを評価したらいいの?

評価ポイントとしては、
以下の2点が上げられます。  

1. 体幹の側屈・回旋の動きが行えるかどうか?

*動作の見方については、コチラをご参照ください。
 手前味噌で失礼します。

【身体を捻る動作から座位を評価する】療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その4~

(執筆者:吉田)

 

2. 身体が動いているときも、身体を支えられるか?

    (例→ 横歩き、前方/側方リーチング)

横歩きや前方/側方リーチングは、
歩いているときや座位や立位での作業中に
無意識にバランスを保つ能力と関連があると考えられます。

なので、横歩きや前方/側方リーチングを
上体を安定しながら行えるかを観察するのは
有用だと思います。

(参考文献)
 →転倒とTimed up & Go testの関連についてhttp://www.japanpt.or.jp/upload/jspt/obj/files/guideline/19_physical_vulnerability.pdf
 →090 地域在住高齢者における体幹回旋可動域 とバランス評価指標との関係性(南雲 大. 第21回千葉県理学療法士学会 フレッシュマン発表抄録)

 →横歩き時間と動的バランス能力との関連性について(五味 雅大 他.理学療法科学 29(5), 789-792, 2014.)

 

 

 

浴槽をまたぐ動きを一つずつ考える

今回は、浴槽をまたぎ、浴槽へ移動する動きに注目して
入浴動作の評価ポイントを整理しました。

評価ポイント:
『骨盤帯などを、安定して移動ができるか?』

具体的な評価項目:
 1. 体幹の側屈・回旋の動きが行えるかどうか?

 2. 身体が動いているときも、身体を支えられるか?
  (例→ 横歩き、前方/側方リーチング)

      

 

入浴動作に限らず、必要な動きを整理できてくると
評価や介入プランをシンプルに考えやすくなります。

その結果、利用者さんが生活しやすくなってくれると
嬉しいですよね^^

もし、動作分析が苦手…と思われている方のお力になれたら幸いです。

 

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実技の面でもレベルアップします。

次の一歩へ進むために、まずは自分の動きを噛み砕いて分析してみませんか?
療法士活性化委員会 認定講師 吉田 頌平

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