こんにちは、最近アプローチが機能からでなく、環境設定から入っている、療法士活性化委員会委員長 理学療法士の大塚です。環境からアプローチすることで機能も自然と変化していきます。
今回はICFにとっても重要な参加についてのお話です。
ICFは療法士になると必ずと言っていいほど壁にぶち当たります。僕も就職したての頃先輩の療法士に「ICFで書いてみて」と言われて、活動に起居動作などのADL、参加に「主婦」とか「教師」とか「車の運転が仕事」とか書いていました。でもこれって参加じゃないんですよね。
実はこれ、どこに参加しているのか?について考えていないと陥りやすい現象です。僕自身もよく陥っていました。
そもそもICFに障害の有無は関係ない
ICFの理念は「生活機能=生きることの全体」であり、すべての人についての「健康の構成要素に関する分類」としています。要は障害や機能障害の問題点を見つけるためにあるものではなく、その人の健康に関わる全てのことを共有できる手段の一つです。
ICFで大事なのは参加
その中でも特に大事な要素が「参加」と考えています。基本的に人は社会の中に何かしらの「役割」を持ち、その役割を遂行することが生きるモチベーションに繋がっています。
そこで療活ではまず「参加」を明確にすることを提唱しています。
どこに参加しているのかを見つける
でも実際は参加を明確にするのは難しいです。それはどの社会に参加しているのかを把握していないからです。
例えば僕は最初療養型の病院に勤めていました。療養病床は基本長期間の入院を前提としており、退院はせずそこで最後を迎えることがほとんどです。この場合、僕がよく間違っていたのが昔教師をしていた患者様の参加に「国語教師」と書いていました。これはその方が勤めていた「学校」という社会の中では正しいのですが、今いる社会は「療養病棟」です。その中に「国語教師」という役割は残念ながら存在しません。もちろん環境設定でその役割を作り出すのも一つの方法ですが、この場合はその方の関わっている社会を学校から療養病棟に変える必要があります。
このように参加を考える場合にその方が今いる社会はどこなのか?を意識してみると参加、役割が見えてきます。
活動と参加の違いは?
ここも間違えやすいのですが、先日いい基準を聞くことができたのでシェアします。
- 活動:個人で完結するもの
- 参加:他者が必要なもの
として分類するとシンプルです。
例えば先ほどの国語の教師を例にとると
板書は個人で完結するので活動、国語の授業を受け持つは相手が必要なので参加になります。
全部を見るのはわかったけどさすがに書ききれない、、、
正直全ての内容を記載しようとすると書ききれないと思います。僕もそうでした。そして全てを記載したところで相手は全ては見ません。
そこで大事になるのがHOPEです。リハビリでは体に何かしらの変化があり、日常生活が送れない状態の方がほとんどです。その方々の「こうなりたい」というHOPEがあります。そのHOPEを達成するために優先的に必要な部分から記載していきましょう。
まとめ
ICFの参加について大事なことは、
- どこの社会に属しているかを明確にする
- 個人で完結するのは活動、他者が必要なものは参加
- HOPEを元に優先順位を決める
この3つになります。
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