第56回理学療法士国家試験 午前 第4問

毎週木曜日は国家試験の問題と解説をしてきます!!
*あくまで療法士活性化委員会としての解説なので確実な正答を保証するものではありません。必ず自分で調べましょう!

問 

Daniels らの徒手筋力テストによる左股関節の検査方法を図に示す。 正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 内転の段階3
  2. 伸展の段階4
  3. 外転の段階5
  4. 伸展の段階5
  5. 内旋の段階5

解答

なし(採点対象から除外)

 

解説

    1. 内転の段階3
      →段階3は抵抗がなければ全可動域を動かしテストポジションを保つ。
      →テストポジションまで動かせていないので誤り
    2. 伸展の段階4
      →股関節屈曲拘縮のある方への変法。テスト肢位は上前腸骨棘が検査代のふちにひっかかる。抵抗位置は膝のすぐ上の大腿後面。
      →テストポジション、抵抗位置が違うので誤り
    3. 外転の段階5
      →テストポジションは下側の下肢は安定のために軽度屈曲する
      →下側の下肢が伸展しているので誤り
    4. 伸展の段階5
      →仰臥位でのテスト。検査ではセラピストが下肢を65°屈曲位、また35インチ(約89cm)持ち上げる。段階5では股関節は中間位を保持できる。
      →股関節屈曲位なので誤り
    5. 内旋の段階5
      →テストポジションで体幹は広げた手または拳を両側において支える。最良の結果を得るためには股関節を回旋中間位におく。段階5は最大抵抗に対してテストポジションを維持できる。
      →体幹の固定とテストポジションの位置が保持できていないので誤り

    全て誤りなので不適切問題となります。

これを臨床で活かすには?

徒手筋力テストは段階4、5は主観的な評価となってしまいます。また段階0、1もその場で判断はできません。まずポイントとなるのが段階2と段階3になります。

段階2

関節運動を伴う筋収縮が可能な段階ですので、例えば臥床時間が長い対象者がいた場合、わずかですが体動による除圧が期待できるかもしれません。少なくとも段階1の状態よりはリスクが軽減されます。

 

段階3

重力に抗して関節運動が可能な段階ですので、抗重力位での姿勢保持ができる可能性があります。もちろん股関節外転位で保持できる筋力と片脚立位で骨盤を水位に保持できる筋力は異なりますが、抗重力位で訓練を行う一つの指標になると考えます。

 

徒手筋力テストだけでは判断せず動作や代償なども併せて評価していきましょう。

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