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本日は股関節の伸展制限へのアプローチのポイントについてお伝えします。
臨床において、股関節の伸展制限が問題のひとつになることが多いのではないでしょうか。その際、「股関節の伸展制限があるから股関節伸展のROMエクササイズをしよう」という考え方になってはいませんか?
股関節は外転位での伸展と中間位での伸展では伸張される筋肉が異なります。
股関節の伸展制限となっている原因をしっかりと評価してからアプローチすることが重要です。
股関節の伸展制限に対する評価の方法とは?

主な評価は関節可動域測定(ROM)です。
ROM測定をする際のポイントはエンドフィールを感じることです。
エンドフィールでわかることとは?

エンドフィールを感じることによって、大まかな可動域制限の検討がつき、次に何を評価すればいいのかの指標が固まります。

正常なエンドフィールには軟部組織の衝突感、軟部組織の伸張感、骨と骨の衝突感の3種類がありますが、その中でも軟部組織の伸張感が多いです。
軟部組織と言っても、筋なのか関節包なのか靭帯なのかを分けて考えていかなければなりません。
関節可動域の制限因子の同定の仕方とは?

関節可動域制限を同定するためには、エンドフィールに加え主観的感覚もありますので、そちらも参考にしながら制限となっている因子を評価していきます。
股関節の伸展最終可動域において制限となる因子とは?

股関節の伸展最終可動域において制限となる因子は、膝関節伸展位では腸骨大腿靭帯と前方関節包の大部分、恥骨大腿靭帯と坐骨大腿靭帯です。膝関節屈曲位では大腿直筋が制限因子となります。
関節包や靭帯に対するアプローチの方法とは?
では、腸骨大腿靭帯や前方関節包に対してどのようなアプローチをすればいいのでしょうか。

股関節は最大伸展に少しの内旋と外転を加えることにより、関節包靭帯の一部が伸張されます。
股関節伸展の制限因子が腸骨大腿靭帯や前方関節包であると評価した際には、股関節内旋と外転を加えながら股関節伸展のROMエクササイズを行ってみてください。
まとめ
股関節の伸展制限へのアプローチのポイント
1. 股関節の伸展制限に対する評価方法はROM測定であり、ポイントはエンドフィールを感じることである。
2. エンドフィールを感じることによって、大まかな可動域制限の検討がつき、次に何を評価すればいいのかの指標が固まる。
3. 股関節伸展の制限因子が関節包・靭帯である場合、股関節内旋と外転を加えながら股関節伸展のROMエクササイズをおこなう。
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