みなさんこんにちは。作業療法士の仲田です。
今回は、リハビリの基礎でありながら奥が深い「五感(触覚編)」についてお伝えできればと思います。
先日開催したZoomナイトセミナー「OTしゃべり場」にて、参加者の皆さんとADL(日常生活動作)についてディスカッションを行いました。そこで話題に上がった「表在感覚とADLの関係」について、一部抜粋してシェアします。
臨床で活かせるポイント満載ですので、ぜひ最後までご覧ください。
【対談】臨床における表在感覚の重要性





まずは、どんな種類があるか復習も兼ねて教えて下さい!


軽い接触、圧覚(深部圧を含む)、痛覚(鋭/鈍)、温度覚があります!


1. 軽い接触(Light Touch)とADL

障害されると「触れられても気づきにくい」「触らせる位置が曖昧」になります。
ADLへの影響としては、衣服のズレや流延(よだれ)、雨などの水滴などに気づきにくいのが特徴です。


主な評価としては、ティッシュや筆などで軽く触れて“触れた・触られてない”、“どこを触ったか”を答えてもらうと良いですね。

2. 圧覚(Pressure)と把持・荷重

障害像としては「どのくらい押(圧迫)されているか分かりにくい」状態です。
これにより、荷重側の認識が弱くなり、立位・座位で不安定になります。また、移動手段で必要な杖や手すりをしっかり握れない(または握りすぎる)状態になります。


主な評価では、母指や示指などで強さ別に押していくと良いです。“弱・中・強”を弁別できるか、あるいは荷重側と非荷重側を答えられるかを確認しましょう。

3. 痛覚(Pain)とリスク管理

障害像としては2パターンあります。
①鈍麻:ぶつけたり、ヤケドしたり、トゲが刺さったりしても気づかず、外傷が悪化しやすい。
②過敏:少しの刺激でも強い痛みとして感じてしまう。



4. 温度覚(Temperature)と入浴

障害像としては、熱湯や冷水の危険に気づきにくいこと。ADLでは特にシャワーや入浴時で火傷のリスクがあります。




今回のまとめ
1: 表在感覚は「触覚・痛覚・温度覚」の3点セットで捉える
それぞれ役割が異なり、ADLへの影響も違います。
2: 感覚は「気づく力」である
衣服の乱れ、手すりの握り具合、熱さへの反応など、外界の情報をキャッチするセンサーです。
3: 感覚は「安全」と「ADL」に直結する
評価結果をただ記録するだけでなく、「だからこのADL動作が難しいのか」「このリスクがあるな」と生活に結びつける視点が重要です。
いかがだったでしょうか。
視野が広がり、少しでも明日の臨床の役に立てたのなら幸いです。
次回は「視覚」についてお伝えする予定です。お楽しみに!
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