膨大な知識がなければ動作分析はできないのかなと思った人必見!動作分析で必要なことってなんだろう[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その65~]

こんにちは!
モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。

突然ですが、みなさんは動作分析をしたことがありますでしょうか? 動作分析は好きですか?

初期評価だけでなく、中間評価の際にもADLの遂行状況を確認し、生活する上で必要だけどできていない動作ってなにかな?と考えるために「動作分析」を行ったりします。分析と聞くと「動作を細かく見て、論文とか運動学に乗ってた小難しそうな物理の知識をもとに原因を突き詰めていくのかな」と思ってしまった日が大変懐かしいです。

さて今回は、その「動作分析」でまずやるべきことを紹介しますね。

寝返り動作中の動作分析 – 総論 –
▼目次

1. 知識は不要。動作分析でやるべきこと。
2. 動作分析で必ず押さえるべきポイントって??
3. あなたはいくつできる?難易度高めのADLセルフチェックテスト!
4. すばやくADLを評価するコツは?
5. 終わりに
6. 講習会情報

知識は不要。動作分析でやるべきこと。

これまで数多くの場面で動作分析を行ってこられたと思いますが、場面ごとにどんな動作が必要で、どんな分析方法が必要なのかなって悩んだことってありませんか?

初めて動作分析を行う場面では、まずはどんな動きをしているのかを確認しないといけないですが、逆に初めてじゃない場合はここは割愛できますよね。

どんな場面で動作分析を進めるかは、担当する利用者さんの年齢層、生活歴、自宅の状況、家族構成、退院後の生活状況によって決められることが多いと思います。

動作分析の大きな目的は、できている動作とできていない動作を明確にし、利用者さん本人・ご家族・看護師さん・ケアマネージャーさん・ヘルパーさん・リハビリ職種と在宅復帰や新たな施設での生活をスタートするために必要な支援を考えられるようになることです。

それでは、動作分析が活用される場面と、動作分析をどのように進めるか紹介します。

動作分析で必ず押さえるべきポイントって??

すでにみなさんが実践されていることですが、チーム間で共有すべき項目は主に下記の7つです。

  1. 利用者ご本人、ご家族の意向の共有
  2. 主訴・目的・目標の共有
  3. 現状の共有
  4. リハビリのプログラム内容と方針の共有
  5. 必要なフォロー体制の共有
  6. 引き継ぐ際に重要なポイントの共有
  7. 想定されるリスク管理の共有
  8. 質疑応答

動作分析が求められるのは、「3. 現状の共有」の段階です。生活で求められる動作はADLで評価されることが多いですね。

前回も挙げましたが、よく活用されるFIM・Barthel Index(BI)の項目は下記の通りです。

FIM(目的:しているADLを評価する)

セルフケア移乗排泄コントロール移動
食事ベッド、車椅子排尿車椅子、歩行
整容トイレ排便階段
清拭浴槽
更衣(上半身)
更衣(下半身)
トイレ

 

BI(目的:できるADLを評価する)

食事移乗整容トイレ動作入浴
歩行階段昇降着替え排便コントロール排尿コントロール

動作として最初に見ることが多いのは、「移乗」「歩行」などの移動に関することで
生活場面で最初に見ることが多いのは、「食事」「着替え(更衣)」「トイレ」「清拭」ではないでしょうか。

これらのADLで必ず必要になる動作は、
・動作中に体幹を回旋できること
・肩関節、股関節の屈曲・伸展動作がスムーズにできること

絶対にこれらは外せません。

なぜかって?それは実際にやってみて確かめてみましょう!

あなたはいくつできる?難易度高めのADLセルフチェックテスト!

いくつかお題を出してみますね。お家や職場で試してみてください。
もし可能なら、お題をやっている様子を動画で撮ってもらってくださいね。

Q1. 股関節を屈曲したまま歩けますか?

Q2. 肩を90°以上、屈曲せずに着替えられますか?

Q3. トイレで股関節を0~90°の間で屈曲したままズボンを下ろし、
      手すりをつかまずに便座に座れますか?

実際に試してみましたか?では、もうひとつ!

Q4.  Q1~3の中で、前後左右にふらつくことはありましたか?

腹筋や背筋をバリバリに使って、バランスを取ろうとしてませんでしたか??
実は、肩や股関節の動きが制限されていると、全体のバランスを保つために体幹が代償して大きく動いたりします。

円背の方の動きをよーく観察してみてください。

上記のような動作の特徴を、見たことありませんか??

すばやくADLを評価するためのコツは?

ということで、生活上で必要な動作の遂行状況を把握する上で
・動作中に体幹を回旋できること
・肩関節、股関節の屈曲・伸展動作がスムーズにできること

は、とっても重要な要素です。
言い換えると、まずこれらの動きができているかを見ておくと、ADLなどの問題点を把握しやすくなるんです!

これらの要素が詰まっていて、活動量が落ちていても誰もが行う動作…
そう、寝返りを分析することで、ADL遂行のスクリーニング評価につながるんです。

寝返り動作の具体的な視点については、以下のコラムをご参照ください。

終わりに

これまで、なんとなく動作分析をしていた人のお役に立てればと思い、今回はこのようなテーマで執筆してみました。動作分析では触診・関節可動域の評価・筋力の評価能力も求められるので、日頃から練習しておくことをおすすめします!

とはいえ、寝返りを動作として観察・分析したことがなければ、なかなか実践するのは難しいかもしれません…
そんな時は、「Motion Analysisコース」でフォローいたします!

「Motion Analysisコース」では、これまでBasic, Assessmentコースで学んできた触診技術と評価方法を活用して、寝返り動作を分析し介入できるようになります。生活の自立のベースとなる寝返り動作から、介入するべき問題点を素早く見つける眼と手を養う。それが「Motion Analysisコース」です。

「喜ばれる介入しかしたくない!」という人は、「Motion Analysisコース」で本当に良かったと思ってもらえるリハビリを実践できるようになりませんか?

動作分析が苦手…と思う方の苦手意識が
少しでも「楽しい!」に近づきますように。

ありがとうございました。

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次の一歩へ進むために、まずは
自分の動きを噛み砕いて分析してみませんか?

療法士活性化委員会
認定講師 吉田 頌平

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