こんにちは、療法士活性化委員会委員長理学療法士の大塚です！
前回から動作の段階付けに関してのシリーズを始めました。前回は腹臥位でしたね？
動作の段階付けができるようになろう！〜腹臥位編〜
今回は寝返りです。
寝返りは人が初めて獲得する移動手段です。今まで前方にしか手を伸ばしていなかったところから正中を超えて手を伸ばし、伸ばし続けていった結果伸ばした方向に寝返る。実は寝返りでは屈曲方向、伸展方向、回旋方向のすべての運動が含まれ歩行につながるためのとっても重要な動作なんです。
寝返りって重要なの？
寝返りは安定した姿位である背臥位から機能的な姿位である腹臥位になるための手段です。寝返りを獲得すると一気に作業・移動の幅が広がります。
また、成人でも寝返りがうまくできない場合、夜間寝返りのために起きてしまい十分な睡眠が取れない、寝返りができないことによる褥瘡の要因の一つになることもあります。
寝返りで獲得する機能は？
発達段階で見ると
- ４ヶ月目：定頸、on elbow（頭部を90°拳上）、目－手の関係性、寝返り（背臥位～側臥位）
- ５ヶ月目：ボトムリフティング（足－口）、on hands、ピボットプローン、坐位（介助）、玩具へリーチ
- ６ヶ月目：寝返り（背臥位～腹臥位）、ピボッティング、腹ばい、坐位（両手支持）、リーチして把持
つまり寝返りでは
- 頭部の伸展
- 視覚のコントロール
- 胸・腰椎の伸展・回旋
- 抗重力位での屈筋・伸筋のコントロール増大
- 胸郭・骨盤の安定性
- リーチング
が必要になります。
寝返りで獲得したい機能
腹臥位までで獲得した機能に加えて、胸郭・骨盤の協調した体幹回旋運動が必要になります。
介入方法は？
脊柱のモビライゼーション
股関節のモビライゼーション
大腰筋のリリース
肩甲胸郭関節のモビライゼーション
背臥位・側臥位でのリーチ動作
寝返り基本動作訓練
など
次の段階は？
基本的な屈曲・伸展・回旋運動を獲得しました。寝返りができる時期になると坐位保持が可能となり、抗重力位での上肢の活動、また四つ這い位での移動などでより肩甲帯・体幹・骨盤の抗重力位でのコントロールを獲得していきます。
さいごに
動作の段階付けは片麻痺や小児以外でも応用ができます。大塚自身は整形外科クリニックの外来を担当していた時、歩行が不安定な場合必ず寝返りから確認していました。一見遠回りに見えますが、動作の段階を評価することで効率的にリハビリが進みます。皆さんも是非活用してみてください。
＞＞＞発達から見る動作の回復過程
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