リハビリするのがつらいと思った瞬間。「生活と評価がつながらない」[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その94~]

リハビリするのがつらいと思った瞬間。「生活と評価がつながらない」

こんにちは! モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。

本記事は、多くの療法士がぶち当たる最初の壁・「生活場面に合った評価が抽出できないこと」について
私の過去の体験とともに書きました。

臨床で「評価が活かせない…」と悩む方へ、少しでもお力になれたら幸いです。

 

わたしは元々、祖母が元気な姿から、寝たきりになっていく姿をみて、
「元気に生活できたらいいのにな…」という思いから、作業療法士を目指しました。

ですが働き始めると、
「評価も十分にできない…」
「触診って、評価にどう結びつけたらいいんだろう…」
と、学校で学んだことを利用者さん・患者さんとのリハビリに活かせなくて
本当に情けないと感じる時期がありました。

なので、身体動作を評価・分析することについて勉強をはじめたんですが…

利用者さんの生活を、動作としてしか見ていなかった

勉強を続けていくと、だんだんこの状態に陥っていきました。

たしかに療法士は、身体動作を評価・分析する技術もあります。
このあたりを整理するための勉強をがんばる時期もあります。
利用者さんが求める「なんとかしてよ!」に応えるうえでも大事です。

ただ、利用者さんの「顔」だけでなく「身体動作」をみることにツッコミすぎて
『あれ、なんのためにリハビリがんばってたっけ?』
と迷うこともありました。

本末転倒ですね。

特に、寝たきりのひとへの評価のうち
・家族へ自宅状況の聴取(在宅復帰、施設転所に向けて)
・実際のリハプログラム
・本人の意欲

が、なかなかつながらなくて悩みました。

ベッド周りの状況を理解していなかった

寝たきりで、うまくお話ができない方のご家族に
自宅での生活状況を伺ったとき、

「家ではいつも電動ベッドに寝てばっかりですね〜」
「お手洗いにいくときは、ベッドの手すりをつかみながらポータブルトイレ使ってます」
「起きるときは左側から起きてます」

なるほど…じゃあ、ベッドの左側から起き上がれるように環境をととのえて
ポータブルトイレに行けることが大事かも…

こんなふうに考えていました。
頭の中では、こんな感じでイメージしてました。

生活感がないですね〜…
(絵心のなさは、ご容赦ください。)

こんなイメージのもと、
「じゃあ、まずは起きられるようにギャッチアップを使いながら
 トイレに行けるようになりましょう!」
と、リハビリを始めたのですが…
ギャッチアップに使い馴染みがない…

後日、ご自宅で生活されていたときの写真をもってきてもらったとき
自分が大きな勘違いのもとでリハビリしていたことがわかりました。

生活のしやすさを考えて、必要になる動作を抽出する。その動作を分析することが大事

ご自宅で生活されていたときの写真イメージは、こちらです。

比較すると…

生活感がまったくないのがわかりますね!
ゴミ箱や枕元のティッシュ、着替え…ひとによっては、近くに写真を飾っていたりするかもしれません。

ベッド上になにかモノがあると、ギャッチアップが使いにくいですよね。
利用者さんのこだわりもあったため、
トイレの前に自分で起き上がれるように介入プログラムを考え直す必要がありました。

この体験から、「こんどは利用者さんの身体動作しか見てないじゃん!」と気づきました。

まとめ

もともと「元気に生活できてほしい!」という思いから作業療法士になったのに

身体動作の評価に注目しすぎて、
利用者さんの生活を見れてない状態になっていたんですね。

身体動作をみることは、もちろん大事です。
「その方の、どんな時の動作なのか?」という視点でみることもまた
大事です。


私は失敗体験から、
「生活がしやすくなるために、必要になる動作を抽出する」
そのうえで、身体動作の評価が活きるんだと実感しました。

こう考えられるようになって、作業療法士としてのやりがいを
改めて感じられるようになりました。

もし、いまの臨床が苦しいときは
「自分がどんな思いで療法士になったのか?」
ちょこっと考えてみてはいかがでしょうか?

  • 日常生活動作から動作分析を行えるようになりたい…
  • 寝返りをもっと見れるようになりたい…
  • ADLにつながる介入プランを作れるようになりたい…

そんなお悩みを解決する講座です。

【 特 徴 】
Basic・Assessmentコースで学んだ内容をもとに
寝返りの動作分析を、参加者同士で実践しながら学べます。

【 内 容 】

  1. 安定した体重移動の要となる、体幹の機能と特徴

  2. 座位・立位で肩を屈曲するために必要な、腹部~肋骨・胸骨~肩甲骨の動きのつながり方

  3. 安定して動けるために欠かせない、股関節と骨盤帯のつながり

  4. 各部位で重要となる部位へのアプローチ方法
     ・体幹→脊柱、腹筋へのアプローチ
     ・肩→肋骨周囲へのアプローチ
     ・股関節→股関節前面へのアプローチ

わからない部分は、いつでも質問できるところも このコースの特徴です( ^ω^ )

Basic・Assessmentの内容を、実戦形式で復習することにもなりますので
実技の面でもレベルアップします。

次の一歩へ進むために、まずは自分の動きを噛み砕いて分析してみませんか?
療法士活性化委員会 認定講師 吉田 頌平

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