こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
問題点に「バランス能力の低下」ってよく書きませんか?僕もよく書いていて、先輩に「何が低下してるの?どうやってアプローチするの?」って質問されたのを覚えています。バランス能力って便利な言葉なんですけど、実はその内容って曖昧なんですよね。そこで今回はバランス能力の低下についてお伝えしていきます。
バランス能力とは
バランス能力とは静止または動的動作における姿勢維持能力のことで、この能力は感覚系・ 中枢司令系・筋力系などの要素によって決まります。
バランス能力とは静止姿勢または動的動作中の姿勢を任意の状態に保つ、または不安定な姿勢から速やかに回復させる能力を意味します。
姿勢の保持は、視覚情報・体性感覚情報(筋・腱・関節からの情報・足裏の感覚情報など)・前庭系の情報(内耳の三半規管)などをもとに脳が中枢処理を行い、出された指令を骨格筋が実行することでなされます。E ヘルスケアネット 厚生労働省
バランスには入力と出力が必要です。
姿勢の保持には入力・出力共に大事ですし、3つの要素も全て大事ですが、今回は体性感覚情報の出力に焦点を当ててお伝えしていきます。
姿勢保持するための3つの戦略
- 股関節ストラテジー:股関節の屈曲/伸展、内転/外転など
- 足関節ストラテジー:足関節の底屈/背屈、内返し/外返しなど
- ステッピングストラテジー:足を一歩踏み出す
バランス能力が低下していると表現する場合この三つの中の特にどの能力が低下しているかを評価していきましょう。今回はまず股関節と足関節の動きを動作からみてみましょう。
動作の評価
評価
片足立位での股関節の安定性:股関節の動揺と足部の可動性を大まかに評価する
股関節
動作の評価
- 坐位
- 骨盤の前傾/後傾:スムーズにできるかどうか
- 左右のリーチ:立ち直り反応が出るかどうか
局所の評価
関節の屈曲/伸展・外旋/内旋の評価、大腰筋、中殿筋、深層外旋6筋の筋力
足関節
動作の評価
- 立位・検査側の下肢を一歩前に出す
- 膝関節に対して外乱を加える
- 足部に対してどの方向に下腿を動かされると動揺するかを評価する
局所の評価
底屈背屈内がえし外返しの評価、前脛骨筋後脛骨筋腓骨筋筋力、アーチの高さ
抽出された問題点に対してアプローチを行います。
まとめ
バランス能力のポイントは
- 入力した情報を脳で統合し適切な出力をする必要がある
- 姿勢制御の戦略として股関節・足関節・ステッピングの戦略がある
- それぞれ評価して介入する必要がある
一つ一つ問題を整理しながらリハビリを進めていきましょう!
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参考文献・書籍
- Yaggie JA, Campbell BM. Effects of balance training on selected skills. J Strength Cond Res. 2006 May; 20(2): 422-8.
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