第56回理学療法士国家試験 午前 第17問

第56回理学療法士国家試験 午前 第17問

毎週木曜日は国家試験の問題と解説をしてきます!!
*あくまで療法士活性化委員会としての解説なので確実な正答を保証するものではありません。必ず自分で調べましょう!

問 

52 歳の女性。起床時の頭痛と嘔気を主訴に脳神経外科を受診した。頭部造影 MRI T2強調像a別冊No. 4dを別に示す。頭蓋内腫瘍摘出術が予定されており、術前より理学療法が依頼された。神経症候として認める可能性が最も低いのはどれか。

  1. 失語
  2. 拮抗失行
  3. 情緒障害
  4. 注意障害
  5. 遂行機能障害

解答

2

 

解説

前頭葉の損傷による主な症状

  • 筋力低下・麻痺
  • 無関心、注意力の低下、意欲の低下
  • ブローカ失語(運動性失語)
  • 得た情報を処理するために一時的に保持することが困難
  • 質問への反応が遅れる
  • 社会的に不適切な行動など、著しい自制の欠如

 

優位半球の損傷による主な症状

  • 失語
  • 失読
  • ゲルストマン症候群(失算、失書、手指失認、左右失認)
  • 失行

 

拮抗失行:前頭葉と脳梁の障害が合併したときに起こる。

なので回答は2となります。

 

これを臨床で活かすには?

脳画像で大まかな症状を予測することができます。しかし、脳血管疾患の場合、単純に障害部位のみに症状が出るとは限りません。理由として考えられるのは急性期に脳浮腫が起き、全体的に機能障害を起こします。この浮腫が強い場合、障害部位以外にも微細に損傷が見られ症状が出現することが考えられます。脳画像だけで判断せず、機能評価も合わせて行い、症状に合わせてリハビリを行いましょう。

>>>臨床で悩む療法士のためのオンラインコミュティ“リハコヤ”

療活では患者さん、利用者さんの目的を達成のサポートができる療法士が増えることで療法士自身も、患者さん利用者さんも笑顔になることを目的に活動しています。
あなたも当たり前のことができるようになり「ありがとう」と言われる療法士になりませんか?

ありがとう
他の記事をもっと詳しく知りたい方へ
記事の目次ページへ      →

リハビリで悩む療法士のためのオンラインコミュニティ「リハコヤ」

リハコヤ