毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
本日は低栄養についてお伝えします。
低栄養=アルブミンなのか?
低栄養の指標と言うと、アルブミンを思い浮かべる方も多いと思います。以前はアルブミンを指標にしていましたが、現在は低栄養の指標としてアルブミンを採択していません。
以前は血清アルブミン値が3.8g/dl以下で低栄養であると言われていました。低栄養の場合、食事量が少なくなっていることも考えられるため、ヘモグロビンなども同様に低下していることがあります。アルブミンが尿に出てしまい、大量のタンパク尿になり、血中アルブミン値が低くなることからそのように言われていましたが、そもそも腎機能が低下している場合はどうでしょうか?服薬の関係でアルブミン値が変化している場合はどうでしょうか?
アルブミン値は24時間以内に簡単に変化してしまう値です。この不安定な数字を基準として採択することは難しいと考えられています。
栄養状態の評価の方法とは?
では、何を基準にして栄養状態を評価していけば良いのでしょうか。
簡易栄養状態評価表という栄養状態に関するスクリーニング検査では、下腿周径長、握力、BMI、体重減少率などを基準に栄養状態を判断します。
Subjective Global Assessment(SGA)では、過去6ヶ月間の体重減少量や食事摂取量の変化、皮下脂肪や骨格筋の減少といった身体所見等を基準に栄養状態を判断します。
これらを見ても、アルブミンの値が栄養状態の判断基準として採択されていないことがわかります。
BMIは栄養状態の判断基準として採択されるのか?
もっとも低い総死亡率を示すBMIは、35〜49歳では18.5〜25、50〜60歳では20〜25、70〜89歳では20〜27.5であるとされ、やや小太りの方が死亡率は低いというデータもあります。
75歳以上の高齢者はBMI21.5〜24.9を目指すことによって低栄養を脱する一つの基準になるとして、厚生労働省が示しています。
ぜひ臨床に活かしてみてください。
まとめ
低栄養について
1. アルブミンの値は不安定な数字のため、低栄養の判断基準として採択することは難しい。
2. 低栄養の基準は下腿周径長、握力、BMI、体重減少率などを基準とする。
3. 75歳以上の高齢者はBMI21.5〜24.9を目指すことによって低栄養を脱する一つの基準になる。
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