- 立ち上がりや着座時の「後方重心(ドスン座り)」は、足部の「浮き指」が引き金になっている可能性があります。
- 浮き指は横アーチの低下を招きやすく、運動連鎖によって骨盤後傾や円背など全身の代償パターンへ波及し得ます。
- 可動域を出すだけでなく、テーピングや靴を用いた「感覚入力」と「運動学習」の視点が臨床では不可欠です。
ドスン座りや後方重心、どこから観ますか?
なんだかバランスが悪い
立ち上がる時にお尻が上がらない
座る時にドスンと座る
つま先立ち出来ない、片脚立位不安定
こんな時どこから観ますか?
股関節の安定性がない?体幹が効いてない?
そんな時は大体が後方重心になってますよね。
そんな時は足を観てみませんか?
今回は後方重心を招く見落とされがちな重要因子である浮指についてお話しします。
浮指とその役割って?
浮指とは名前の通り足趾が浮く、浮きやすい状態となります。
【足趾の重要な役割】
- 立位バランス向上(側方動揺の抑制)
- 前足部での荷重支持
- 歩行時の蹴り出しの向上
先程の立ち上がり、着座動作においての役割は主に2つ。
→前方シフト~離殿の相で前足部の支持性向上
→着座時の重心後方偏移の抑制
とくに着座時に足趾が浮く方は多い印象です。そのパターンでは骨盤が後傾しやすい(股関節屈曲出来ない)傾向がある為、結果としてドスンと座ってしまう事に繋がりやすくなります。
歩行時では安定性、蹴り出しだけでなく、ウィンドラス機構と関係し振り出し(遊脚、クリアランス)にも影響しています。
浮指の原因って? 評価→アプローチ→再評価
原因の一つとして、まずアーチの低下が考えられます。
なのでアーチの評価が必要です。
また足趾での支持が十分でない為、中足骨頭に過剰な荷重がかかりやすく、魚の目、タコなど皮膚が固くなっている事が多いです。
アーチと言うと内側縦アーチ(土踏まず)をイメージすると思いますが、浮指では横アーチの影響が強く出やすい傾向にあります。
【評価のポイント】
- 前方から観た時に第2・3趾が頂点になっているか?(機能低下があると逆に落ち込む様な形になっている方もいます)
- 中足骨頭ラインの皮膚の硬さ(魚の目、タコなどの局所ストレス)を参考にする。
【アプローチのポイント】
- アーチの形成と第2趾の屈曲を促す。
- テーピング等によるMP関節の補正と横アーチのサポート。
全身への影響(運動連鎖)
浮指になると身体はどの様に反応するのか、臨床的な運動連鎖のモデルで考えてみましょう。
浮指により中足骨頭レベルでの横アーチが潰れやすくなり、第1・5趾が回旋していくケースがあります。結果、反り上がる形となり外反母趾、内反小趾を誘発しやすくなってしまいます。
また内側アーチの低下を伴うと、足部後内側への荷重が多くなります。
そうなると→
【浮指から始まりやすい負の連鎖パターン】
下腿内旋傾向 → 膝伸展がでない → 股関節屈曲位 → 骨盤の後方偏移(後方重心) → 胸椎後弯(円背) → 頭部前方位(ストレートネック)
つまり局所の問題が、全身へ波及する代償の引き金になり得るのです。
これは各関節の構成運動が連鎖して起こる現象です。
(→運動連鎖)
まずは動かせる土台を作る、無理ならどうする?
足部のアライメントは修正した、足趾の握りも良くなった。
これだけでは問題は解決しません。なぜならここまでは「動かせる土台」を作っただけだからです。
実際の動作上で使える様にするには、感覚入力が必要となります。動かせる様になったら(土台ができたら)動く、支える、使える感覚を入力しましょう。その感覚がある状態で動作する事で運動学習へと繋がります。
また土台が整わない、機能的に難しい時はICFでの個人、環境因子に着目して下さい。
簡単に言うと靴、テーピングなどで補正してみましょう。もちろん装具やサポーターなどもOKです。

運動連鎖を考えると
建物の一階が少し揺れると十階は大きく揺れる。
人体だと足が揺れると身体は大きく揺れる。揺れ方は骨構造による運動連鎖、つまりルール。
ルール(原理、原則)を知ると問題点の繋がりが観えてきます。
この観察、評価、アプローチの方法をお伝えします。







