毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
本日は認知症のある人への理学療法介入についてお伝えします。
認知症に対するリハビリで身体機能の向上は必要なのか?
認知症というと、作業療法士のイメージが強いかもしれませんが、理学療法士による介入も重要です。
本日参考にする研究はこちらです。
アルツハイマー型であれば、障害される部分は側頭葉です。運動野がある頭頂葉は障害されにくいのですが、障害される海馬はバランス機能の中継点であるためバランス機能は低下しやすく、転倒リスクが高くなります。そのため、リハビリ介入によって身体機能を上げる必要があります。
また、脳血管性の認知症の場合は、麻痺によって身体機能は低下しやすく転倒リスクは高くなるため、この場合もリハビリ介入による身体機能の向上は必要です。
レビー小体型認知症の場合もパーキンソン症状がでるため、身体機能の向上は必要不可欠となります。
今回ご紹介している研究によると、理学療法士が約100日間リハビリをおこない、介入後のFIMに大きな差はみられなかったと記載されています。
しかし、変化がなかったということは維持できていると捉えることもできます。
認知症をお持ちの方の場合、身体機能を向上させるということは難しいです。今ある機能を維持していくということが大事になってくるので、この研究における「変化がない」ことは非常に重要です。
また、この研究では、研究の結果、患者の身体面の維持や認知面への好影響が示唆され、また病棟職員の知識と技術の向上に影響したと記載されています。理学療法士が認知症をお持ちの方を担当するということが、患者さんだけでなく理学療法士にとっても良い影響を与えているというこことがわかっています。
まとめ
認知症のある人への介入の注意点について
1. 認知症に対する身体機能の向上は必要不可欠である。
2. 理学療法士が介入することで身体機能を維持することができる。
3. 理学療法士が認知症をお持ちの方に対しリハビリを行うことで知識と技術の向上に影響する。
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