「先生、なんでこの病院は現金しか使えないんですか?」…リハビリの合間や会計の際に、患者さんからふと投げかけられるこの素朴な質問。あなたなら、どう答えますか?
今回は、「病院の支払いが現金のみ」である理由について、私たち医療従事者が知っておくべき背景を、現場の会話から分かりやすく解説します。
実際にZoomのナイトセミナー「OTしゃべり場」という話し合う場で出てきた会話を一部お伝えしていきます。
理由1:経営を圧迫する「決済手数料」の壁
決済手数料の影響はどれくらい? 仮に月間1,000万円の売上がある診療所で、すべてが手数料3.5%のキャッシュレス決済になった場合…
毎月35万円、年間で420万円もの利益が失われます。これは小規模なクリニックにとっては死活問題になりかねません。
毎月35万円、年間で420万円もの利益が失われます。これは小規模なクリニックにとっては死活問題になりかねません。
理由2:医療費特有の「計算の複雑さ」
理由3:止められない医療と「システム障害リスク」
まとめ:病院が「現金払い」を選ぶ理由
- 手数料の負担:診療報酬が固定のため、3~5%の手数料がそのまま経営の負担となる。
- 会計の複雑さ:追加検査などで金額変動が多く、決済後の処理が煩雑になるのを避けるため。
- 安定性の確保:通信障害や災害時でも確実に決済できる、最も信頼性の高い手段だから。
この記事のポイント
- 手数料が経営を圧迫する
価格に転嫁できない決済手数料(3~5%)は、特に小規模医療機関にとって大きな負担となる。 - 医療費の変動がトラブルの元に
診察後の追加検査などによる金額変更が多く、現金の方が会計ミスを防ぎやすい。 - 「止められない」医療インフラを守るため
災害やシステム障害時でも確実に機能する「現金」は、医療の安定供給を支えるための合理的な選択肢である。
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