腰椎分離症のリハビリ ~評価・アプローチ方法~

腰椎分離症のリハビリ ~評価・アプローチ方法~

みなさん、こんにちは!
理学療法士の林です。

みなさんは「腰椎分離症」の評価とアプローチはどうされていますか?

担当すると、

「立ち上がる時に腰が痛い」
「歩くと足が痺れる」
「寝てても腰が痛い」

など様々な訴えがありますよね?

自分もリハビリをする時にとても悩んでいました。。。
そんな自分も少しでもリハビリで成果を出したい!

患者さん、利用者さんに良くなってもらいたい!
と思い病態を調べ、評価方法、アプローチ方法を勉強しました。

みなさんとも考え方を共有して少しでも
「腰椎分離症」の患者さん、利用者さんの機能を改善していきましょう!

〈目次〉
1、腰椎分離症の病態
2、腰椎分離症の評価
3、腰椎分離症のアプローチ
4、腰椎分離症のまとめ

1、リスク管理

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腰椎分離症は
オーバーユース障害、つまり腰椎を使い過ぎてなってしまう病態になります。
これにより腰椎の一部に負担が溜まってしまい、疲労骨折を起こしてしまいます。
この状態で活動を続けると体幹を動かした時の疼痛や
分離した部分が肥厚し神経障害をきたす可能性があります。

疫学は日本人の約6%になり男性に後発しやすいです。
発症年齢は10代に好発しますが、高齢の方にもみられる所見です。

症状は
・腰痛(特に体幹伸展する動作)
・神経障害
・筋力低下
などが生じます。

後発部位は
L5,L4
となっています。

実は腰椎滑り症は無痛性もあります。
ちなみに腰痛が生じる原因としては、
●分離部の骨折部の炎症
●腰椎の不安定性
に由来すると言われていますがハッキリとは分かっていません。
約5%ほどは腰痛を訴えないという報告もあるほどです。

ただ、腰痛を訴える人で困っている
患者さん、利用者さんがいる時は少しでも良くしたいですよね?
腰痛分離症の患者さん、利用者さんのリハビリをする時も
関節可動域制限・筋力低下を評価して問題点を把握していく必要があります!
改善ためには具体的な機能面の評価がしていきましょう。

2、評価

評価では「動作観察」「関節可動域」「筋力」を行います。

手順は
まず「動作観察」を行います。

具体的には
・ADL観察
「洗顔」「トイレ」「食事」など普段日常で困っている動作の確認

・基本動作「起立」
下部体幹がパターン通りに動けているか

・スクリーニング
座位で体幹を前傾します。
ポイントは体幹の前傾で
1、体幹が伸展位で保持できるか
2、骨盤が前傾位で保持できるか

次に機能評価を行います。

「関節可動域」
・仙腸関節→Patrick test
・腰椎→Posterior Lumber Flexbilty test
・下位肋椎関節→Chest expansion test
ポイントは関節が動くか動かないかです。

「筋力」
・腸腰筋+コアマッスル→Active Straight Leg Raising
ポイントは左右差を比べることです。

手順は動作をみて、関節可動域と筋力を評価することで
患者さん、利用者さんの問題点を探ることができます!

3、リハビリ

では評価の統合と解釈によって得られた情報からアプローチ方法を選択していきます。

まず筋が付着している骨を動かして動きやすい状態にするために〈関節モビライゼーション〉をやっていきます。
仙腸関節
腰椎
「下部胸郭」
で関節の動きを出していきます。

関節の動きを出した後は〈筋膜リリース〉を実施します。
大腰筋
多裂筋
で筋不全、筋力低下した筋の血流を改善していきます。

問題点から必要なアプローチを選択し実施していきます。
その際にポイントになるのが触診になります。
脊柱疾患のポイントとなる関節・筋は、
「股関節」「仙腸関節」「腰仙関節」「下位胸椎」「下位肋椎関節」
「大腰筋」「多裂筋」
となります。
アプローチする部位に触れられると効果がより倍増していきますのでオススメです!

4、まとめ

腰椎分離症の評価とリハビリ方法は
病態を知り、現在必要な評価を行い、
得られた情報からアプローチ部位を決めていきます。

例えば、
「動作観察」
寝てて腰が痛い→スクリーニングで体幹が屈曲してしまっている→起立で腰椎が動いていない
「評価」
下部胸郭の関節可動域の制限がある、大腰筋の筋力低下がある
「アプローチ」
下位肋椎関節のモビライゼーション・大腰筋のリリース→寝ている時の腰痛改善!
などが考えられます。

一見すると大変だと思います。。。
ただ1つずつ評価をすることで患者さん、利用者さんへ変化出すことができます!
変化が出ることで喜んでもらえるので嬉しくなりますよね!!

詳しい病態の整理や評価とリハビリ、触診方法はこちらで確認していきませんか?
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療法士活性化委員会
認定インストラクター 林凌磨

参考文献
1)理学療法ハンドブック(改訂第4版)第3巻 疾患別・理学療法基本プログラム
細田多恵+柳澤健 編集
2)動作分析 臨床活用講座 バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践 石井慎一郎 著
3)よくわかる 腰・腰椎の動きとしくみ 「動き」と「痛み」のメカニズムを図解で学ぶ! 姿勢を解くカギ 永木和載 著 大平雄一 監修
4)よくわかる 腰痛症の原因と治し方 「痛み」と「治療」のメカニズムを図解で学ぶ! 痛みを解くカギ 中尾 浩之 著

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