臨床の相談会 開催報告! ~人工骨頭術後に自宅に帰るためには?~

臨床の相談会 開催報告! ~人工骨頭術後に自宅に帰るためには?~

皆さん、こんにちは!
理学療法士の林です。

先日、8/8に開催した臨床の相談会を開催しました。

今回の相談内容は、
「70歳代女性、右人工骨頭置換術後に自宅に帰るためには?」
とのことでした。

リハビリをしていると、
・病態のリスク管理が分からない
・評価方法と解釈がどうすればいいのか
・介入方法はどんなことすればいいのか
そんなことを悩みませんか?
僕も回復期や今勤めているクリニックでも困りました。。。

でもそんな時は実際に臨床で活用している人に相談すると解決できることがあります。
では実際どんな内容をやったのかご報告したいと思います!

1、評価

 

受講生さんによるとこの方が自宅へ帰るためには
「T字杖自立」が必要だそうです。
個人因子や環境因子は個人を特定される可能性があるため今回は割愛させていただきます。

以下が簡単な情報です。
疾患:右大腿骨頚部骨折(右人工骨頭置換術後)
既往:脊椎圧迫骨折
・主訴:
近所のコンビニに行きたい、バスに乗って出かけたい、お風呂で足先を洗いたい、靴下が履けない
・病前ADL:連続歩行がフリーハンド自立で30分間
・動作制限:キャスター付きPick upで自立、右立脚期で骨盤対側へ動揺、
・バランス:30/56点
・疼痛:特になし
・ROM-T(右/左 °):屈曲 100/115、伸展 10/0、内旋5/25、外旋と外転は左右差なし
・MMT(右/左):中殿筋(2/4)、腸腰筋(3/4)、ハムストリングス(4/4)
とのことでした。

2、統合と解釈

 

 

歩行障害は
①バランス不良、
②股関節周囲の筋力低下
③股関節のROM制限
以上の3つで生じていると考えられたそうです。

 

3、介入

 

介入では
①ROM訓練(股関節内旋)
②筋力強化(中殿筋)
③立位バランス訓練(リーチング)
④歩行訓練(連続歩行)
⑤協調訓練(足の踏み出し)etc…
をされていたそうです。

しかし、現状は「T字杖自立」はできていないそうです。
なぜでしょうか?
それを療活スタッフとディスカッションして解決していきたいと思います!

 

4、ディスカッション

まず良い点です。
①評価に客観性がある
②客観性のある視点から介入方法を実施している

次により良くなる点について話し合っていきます。
①客観的な評価なのでROM制限、筋力低下の原因が分かりにくい
②バランスとはどうしたら改善できるのか

今回の歩行障害で具体例を挙げると、
例)中殿筋の筋力低下
中殿筋は股関節伸展で筋力が発揮される
→股関節伸展ROMは大丈夫→中殿筋の筋出力低下はどうなのか
→中殿筋をリリース→改善すれば筋出力の低下
→改善しないのであれば中殿筋の筋力低下が考えられる
→そもそも中殿筋が付着している腸骨(仙腸関節)ROMはどうなのか

例)
バランス不良
バランスは機能的には「ROM」「筋力」に加え「感覚」も影響してくる
→ROM、筋力以外にも表在・深部感覚が正常か
→もしくは療法士の指示通りに動けているか
→エクササイズによる運動療法の方法を検討する必要がある

患者さん、利用者さんによって状態は異なりますが、
考え方は
①ROM低下の原因
②筋力低下の原因
③感覚低下(運動学習障害)の原因
を探り①、②、③の順番に介入するのが望ましいと考えます。

 

5、まとめ

 

評価は患者さん、利用者さんの問題点を把握するために必要です。
またアプローチできないと患者さん、利用者さんの体を改善することができません。
その中で必要になるのが評価結果から問題点を整理して介入することだと思います。
僕も何度も確認して勉強してきました。
何年たっても勉強は必要です。
ただ一人でやるのは大変だと思うのでよければ一緒にやりませんか?
>>>「臨床の相談会」<<<

療法士活性化委員会
認定インストラクター
林 凌磨

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