「掃除機をかけたい。」在宅復帰に求められることってご存知ですか?[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その127~]

「掃除機をかけたい。」在宅復帰に求められることってご存知ですか?

こんにちは! モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。

 

在宅復帰を目指す方の中で、「掃除ができるようになりたい」と思われる方は少なくありません。

 

『掃除機をかけることは、歩けるようになってから…!』
確かに一理ありますが、本当に歩けるようになったら掃除機がかけられるんでしょうか?

今回は、立位でポータブル掃除機を使用することを想定して
掃除機をかけるときの動作分析と評価ポイントをお伝えします。

掃除機をどうやってかけるのか?

今回は、立位でポータブル掃除機を使用することを想定します。

 

バッテリーの重さも入れると、だいたい2〜3kgほどの重さがあります。

動画を見てみると、ポータブルタイプの掃除機をかけるためには

・2〜3kgほどの重量があるものを、片手で持てること

・片手で(主に)前後に動かすことができること

が必要そうですね。

 

 

特に肩の動きに落とし込んでみますと、

・プレーシング

・上腕を引く動き

以上の2つの動作が求められることが想定できます。

 

そして、掃除機をかけている上肢の動きにあわせて

・転倒しないように姿勢を保てること

が重要となります。

つまり、

1. プレーシング

2. 上腕を引く動き

 3. 転倒しないように、姿勢を一定時間保てること


この3つの要素が必要、と言い換えられます。

浴槽掃除と同様、全身をフルに使った家事と言えますね。
(浴槽掃除についてはコチラ)

在宅生活のキーポイント!お風呂掃除の評価ポイント3選[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その126~]

どこからみたらいいのか?

姿勢を保ちつつ掃除機をかけるうえで、
肩甲帯の動きは重要となります。


具体的に評価するのであれば
 
1. 掃除機をかける姿勢(今回のケースでは立位)でリーチングができるか?
2. リーチングした手を、姿勢を保ちながら戻すことができるか?

をオススメします。

 

詳しい評価方法や、評価の視点は以下をご参照ください。

ADL自立につなげる!立位バランスを評価してみよう[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その125~]

CVA患者さんが実施するサンディングのポイント知っていますか?

ただし、留意しておきたいポイントがあります。

リハ現場で見過ごしやすい点

自宅で掃除機をかけることを継続するには、
体力面の不安もあります。

一般に、掃除機をかけることは
低い段差を上り下りするくらいの負荷が
身体にかかると推測されています。

家の中を移動できるくらいの体力は求められそうです。

掃除機を持って動き回るうち、ハァハァ息が切れてくるようだと
継続するのは少し大変かもしれません。

 

その場合は、まず1日の中で身体を起こしておける時間を
少しずつ延長できるように工夫することも
リハビリの一環として提案できるかもしれません。

例えば、毎朝顔を洗うようにしてみたり
服をたたんでしまう時間を作ってみたり、
お茶を飲みにラウンジに行く時間を作ってみたり…

 

歩行で移動できることも重要ですが、
『自宅に帰っても、楽に移動できるだけの持久力があるのか?』という視点で
施設内での生活状況をいろんな方から情報収集しておくと、
リハビリのプログラム内容もまた違ってくるかもしれませんね。

 

まとめ

せっかく掃除機をかけられるようになっても、自宅に帰ったら
「しんどいからやらない…」となってしまうと
残念ですよね…

そのために、

1. そもそも上肢を動かすことが大変だと感じていないか?

 2. 起きていること、屋内を移動することに苦労していないか?

 3. 楽に掃除機をかけられるやり方を再現できるか?  

こうした情報を、患者さん・利用者さん等から教えていただき
継続できるやり方を一緒に考えることは、とても重要です。

 

また、掃除機を使わずにぞうきんで床をふく方や、
モップを使う方もいらっしゃるかもしれません。

掃除機をかけることとは違いますが、要は
『床を掃除できるようになりたい』というニードは見えてきますよね。

ニードは何かを探りつつ、どんなやり方がいいのか考えていくと
リハビリのプログラムを考えやすくなりますよ。

 

ぜひ、利用者さん・患者さんと話し合ってみてくださいね!

 

 

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【 特 徴 】
Basic・Assessmentコースで学んだ内容をもとに
寝返りの動作分析を、参加者同士で実践しながら学べます。

【 内 容 】

  1. 安定した体重移動の要となる、体幹の機能と特徴

  2. 座位・立位で肩を屈曲するために必要な、腹部~肋骨・胸骨~肩甲骨の動きのつながり方

  3. 安定して動けるために欠かせない、股関節と骨盤帯のつながり

  4. 各部位で重要となる部位へのアプローチ方法
     ・体幹→脊柱、腹筋へのアプローチ
     ・肩→肋骨周囲へのアプローチ
     ・股関節→股関節前面へのアプローチ

わからない部分は、いつでも質問できるところも このコースの特徴です( ^ω^ )

Basic・Assessmentの内容を、実戦形式で復習することにもなりますので
実技の面でもレベルアップします。

次の一歩へ進むために、まずは自分の動きを噛み砕いて分析してみませんか?
療法士活性化委員会 認定講師 吉田 頌平

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