毎週木曜日は国家試験の問題と解説をしてきます!!
*あくまで療法士活性化委員会としての解説なので確実な正答を保証するものではありません。必ず自分で調べましょう!
問
筋萎縮性側索硬化症で下位運動ニューロン障害の徴候はどれか。
1. 痙縮
2. 仮性球麻痺
3. 線維束性収縮
4. 腹壁反射消失
5. アキレス腱反射亢進
解答
3
解説
筋萎縮性即索硬化症(通称ALS)は上位運動ニューロンまたは下位運動ニューロンの障害を複数の身体部位で認める進行性の疾患です。
神経所見
- 球症状:舌の麻痺・萎縮・線維束性収縮、構音障害、嚥下障害
- 上位ニューロン徴候:痙縮、腱反射亢進、病的反射
- 下位ニューロン徴候:線維束性収縮、筋萎縮、筋力低下
症状
- 運動障害
- 言語障害
- 嚥下障害
- 呼吸障害
があり、進行性のため、進行具合によって対処する必要があります。
原則として
- 眼球運動障害
- 感覚障害
- 膀胱直腸障害
- 小脳障害
- 錐体外路障害
はないと言われています。
問題文をみてみると
- 痙縮
→上位運動ニューロン障害 - 仮性球麻痺
→そもそもALSの症状ではない。 - 線維束性収縮
→下位運動ニューロン障害 - 腹壁反射消失
→錐体路兆候 - アキレス腱反射亢進
→上位運動ニューロン障害
なので回答は3になります。
これを臨床で活かすには?
ALSは進行性の疾患です。なので残存機能を有効に活用し、そのときの体の状態に合わせて適切なサポートを選択する必要があります。
ALSの対象者に対するリハビリの目的は
- 残存機能の活用
- 呼吸の維持
- 二次的な筋萎縮の予防
- 可動域の維持
- 浮腫の予防
- 血栓の形成や痛みの予防
- 睡眠の確保
- 生活の質の向上
です。
進行性の疾患であり、呼吸器を装着するか否かの選択を迫られる時期もあります。あくまで選択権は本人にありますが、リハ職として必要な情報は必ず共有して本人望む選択ができるようにサポートしましょう。
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