目指せ「ADL改善」!ベッド上姿勢を変えて、誤嚥リスク低下へ![療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その91~]

目指せ「ADL改善」!ベッド上姿勢を変えて、誤嚥リスク低下へ!

こんにちは! モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。

 

本日はベッド上姿勢の第2弾 〜仰臥位 編〜 をお届けします!

前回のコラムは、こちら↓↓

“まぁまぁ側臥位”でもOK!上手にベッド上姿勢を取れるようになって、ADL改善を目指そう![療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その90~]

 

ベッド上姿勢を変えられることが、ADL改善につながることをお伝えしていますが
本日は「食事、誤嚥」をポイントにお伝えしてまいります。

メリット①支持面が広く、リラックスしやすい

ふだん寝ているとき、皆さんは「ベッドから落ちないかな〜。。。」と不安に思いますか?

 

ご高齢になると、平衡感覚や皮膚感覚が低下するため
ベッド上での自分のからだの動きや位置を認識しにくくなります。

 

具体的には、70歳以上になると、30歳代とくらべて平衡感覚にかかわるニューロンは
20%程度減少するといわれています。
(参照元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/119/2/119_87/_pdf

 

上図の黄色い面は、ベッド面を示しています。
(下手な図なのは、大目にみてください。。。(^^;))
身体が、ベッド面に広く接触していることが分かりますね。

仰臥位は、側臥位よりもベッドに広く接触できることが特徴です。

なので、ベッドの広い支持面積と
身体が接触する面積を最大限に広くできると、
リラックスしやすくなります。

 

メリット②ベッド上でも食事に移行しやすい

ギャッチアップ機能がついているベッドであれば、そのまま安定した状態で座位に近い姿勢が取れます。

以前までは、30~45°までギャッチアップして食事を行うことを推奨する声がありましたが、
最近では、45~65°を推奨する声が出てきています。

自力で起き上がることが難しい方でも
食事を口から食べられる点が、仰臥位が取れるメリットですね。

ただし、嚥下の点からみると、この食事方法には注意が必要です。

 

デメリット①舌根沈下などで気道を塞ぎやすく、呼吸が浅くなりやすい

みなさんの周りで、イビキがうるさい人っていませんか??

イビキが起こるのは、舌の根元(舌根)が気道をふさぐためなんですが、
実は仰臥位だと、この舌根が重力で垂れ下がり、気道をふさぎやすくなるんです

そのため、仰臥位で長時間ねている方の場合は
舌が十分にうごかせない可能性があります。

そうすると。。。

デメリット②誤嚥のリスクを高める

仰臥位が長くなり、舌の動きが鈍ってくると、
誤嚥するリスクが高まります

 

また、ギャッチアップの角度にかかわらず
ギャッチアップしたベッド上での嚥下よりも、座位の嚥下のほうが
僧帽筋の筋活動が抑えられ、主観的にも飲み込みやすかった
という報告があります。
(参照元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2007/0/2007_0_A1037/_article/-char/ja/

ちなみに対象者は、健常な20歳代です。

 

このように、定期的にベッド上姿勢を変えて
座位で過ごす時間を作ったり、座位で食事ができるようになることは
誤嚥のリスクを減らすうえで大切なポイントなんです。

 

まとめ

以上から、仰臥位の状態が長くつづくと
舌や嚥下機能に大きく影響します。

 

なので、まずはベッド上姿勢をコントロールできるようになって、

  • 座位が取れるようになること

が重要となります。

 

また、メリット①でお伝えしたように、
ご高齢になると、身体がどんな位置にあるのか感知しにくくなります。

もし、ベッド上での姿勢が側臥位や仰臥位に偏り、
長時間すごすことに慣れてくると…

座位姿勢が崩れてきても、
「えっ、アタシの身体、かたむいてる?」
っというように、気づかないで過ごす現象が起こりやすくなります。

 

 

ということで、ベッド上姿勢をうまく変えられるようになって
ADL改善を目指せるようになりましょうね!

 

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療法士活性化委員会 認定講師 吉田 頌平

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