【寝返りの動作分析】肩とはいったい何者なのか、みなさん気になっていると思います。[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その57~]

こんにちは!
モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。

 

 

 

 

 

前回のブログでは、鎖骨に注目して
寝返り動作の分析のポイントをお伝えいたしました。

先日、勤めている整形外科クリニックの同僚に「寝返る時の肩の動きがよくわかんないから教えて」と声をかけられました。
肩とは、肩甲骨・鎖骨・上腕骨・肋骨の4つで構成されている「肩関節」のことのようです。

寝返り動作を分析する時には必ずと言っていいほど出てくる関節ですが、そもそも肩関節の構造自体が難しくて、新人さんや寝返りの動作分析を始めた方が(おそらく)最初にぶつかる壁なのではないでしょうか。

私は、様々なことが求められる臨床現場において、新人さんが日々快適に楽しく患者さんと関われるよう、動作分析の視点をいろいろとお伝えしているのですが、肩関節の動きは毎日のように分析しています。肩関節の動作が分かってくると、上肢を中心に動作分析が進めやすくなるのですが、なかなかとっつきにくいと思われがちなのがもどかしい!

なので今回は、寝返り動作中の肩関節について、いったいどんな動きをするのかという概念や分析ポイントに重きを置いて、お話させていただこうと思います。

寝返り動作中の肩関節 動作分析

▼目次

  • 寝返り動作で求められる肩関節の動き
  • 評価するポイント

寝返り動作で求められる肩関節の動き

肩関節には、肩甲骨と上腕骨からなる肩甲上腕関節と
肩甲骨と肋骨からなる肩甲胸郭関節、
肩甲骨と鎖骨からなる肩鎖関節があります。

寝返りを行う時って、
どんな動きをしているでしょうか?
前回の写真をもとに、肩甲上腕関節を観察してみましょう。

これだとわかりにくいですね…
上腕骨頭を白丸、肩甲骨を赤線で示しますね。

肩甲上腕関節に注目すると、
肩は「内旋」方向へと動いていきます。

今の寝返り姿勢では、上腕は下垂位に近いので
具体的に言うと、肩は「第一肢位での内旋(1st 内旋)」の動きが強いです。

なので、なかなか寝返りを打てない方の
下に来る肩の「内旋」の動きを評価していきましょう!

 

評価するポイント

では、肩の内旋を評価するポイントを確認していきます。
今回は、回旋筋腱板に注目していきますね!

引用元:グレイの解剖学

回旋筋腱板は、
・棘上筋
・棘下筋
・小円筋
・肩甲下筋
がありました。

このうち1st 内旋で働く筋といえば…肩甲下筋ですね!
まずは、肩甲下筋が収縮できているかを確認しましょう。

肩甲下筋は収縮できることを確認できたら、
次は「内旋可動域」を確認しましょう!

可動域が狭い、ということは
肩が動くスペースが十分に確保できないことを表します。
肩が動けなかったら、寝返りは難しくなりますよね。

そして、もう一つは
「抵抗をかけられた状態で内旋できるか?」です!

体重が乗った状態で肩を内旋するので、
体重に負けないように肩を動かせるかどうかが
重要になります。

ですので、肩内旋のMMTも評価しておきましょう!

まとめると…
 ・肩甲下筋は収縮できる? 
 ・肩の内旋動作を自動運動で行える?
 ・肩の内旋MMTは?

これらを評価しておくと、
寝返り動作を分解して評価しやすくなりますよ。

麻痺のある方の場合、健側が下になり支持側になることがありますが
同様に健側肩を評価してみてください!
意外と、健側の動きが制限因子となっていることもありますよ。

 

注意するポイント

もし、起き上がるときにベッドの柵をつかんで
身体を引き起こす場合には
肩甲上腕関節は外転位になります。

それから側臥位へ移動すると、
肩は「水平内転」方向へと動くようになります。

ですので、寝返り動作を分析する時には
「どんな起き上がり方をしているのか?」をまず観察すること
重要となります。

 

終わりに

寝返り動作時の肩関節の動作分析について、お話させていただきました。

動作分析は一度理解してしまえばとても楽しいものだと思っています。

ですが、多くの人がつまずくところでもあると思うので、この記事が少しでも力になれたらいいなあ、動作分析を少しでも楽しい!好きだ!と思ってもらえると嬉しいなあと思って書きました。ただ、動作分析や肩関節の概念・原理を理解してもらうことを意識して書くのはとても難しかったです。逆にわかりづらいものになっていたら申し訳ございません。今後、よりわかりやすい考え方を見つけて、修正できればと思っています。

動作分析が苦手…と思う方の苦手意識が
少しでも「楽しい!」に近づきますように。

ありがとうございました。

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認定講師 吉田 頌平

 

 

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