心に響く。先輩・利用者さんに言われたひとこと5選[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その86~]

こんにちは! モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。

療法士としてのやりがいを感じる瞬間。患者さんや利用者さんからのひとことだったり、リハ科や他部署の先輩からのひとことで「もっとがんばろう!」と思うことってありますよね。そこで今回は、私が実際に言われて「心に響いたひとこと」を選出しました。

「心に響いた」の定義とは?

同じフレーズでも感じ方は人それぞれ。誰が聞いてもハッとする部分があることが、療法士として大切ではないかと思っています。これから紹介するひとことは、新人のころに聞いたものばかりですが、経験年数を重ねると改めて心に響いてくるようになったひとことです。

この計画書は、誰のためのものなんだ?(先輩からのひとこと)

いきなり意外なひとことかもしれません。
計画書を算定することが必須で、とにかく配るように患者さんに渡していた時期がありました。計画書の内容を、患者さんがわかるように説明する努力を怠っていたんですね。
このひとことは、「誰のためのリハビリなのか」を自問するきっかけになりました。

レントゲン写真とか、一緒に見てもいいんじゃない?(先輩からのひとこと)

カルテ情報やレントゲン等のデータなど、あまり患者さんと共有することはないと思っていました。
よく考えると、患者さん自身の情報なのに、患者さんは知りたくても知ることができないって奇妙な話です。
患者さん自身の目線に立って考えることができていないと思い知ったひとことでした。

車の運転が少しできるようになりました。(患者さんからのひとこと)

社交的で自分でお出かけしていた方が、ご病気の影響で上肢全体をうまく動かせなくなり、「自分で車を運転できるまでになりたい」とリハビリをずっとがんばっておられたときのひとことです。
医師の許可を得て、退院前に外泊した際に車を運転できたときは、本当に喜ばれていたそうです。
患者さん自身が目指すゴールに近づけていると感じられた瞬間は、この職業の醍醐味のひとつではないでしょうか。

もう、このひとは父じゃないと思ってました。(患者さんのご家族からのひとこと)

認知症をおもちの方が骨折をされて、不穏な様子が強くなったときがありました。
痛みがあって、骨折後の関節の違和感に戸惑い、不穏な状態になっていることをご理解いただいたとき、ご家族からお聞きしたひとことでした。
リハビリの仕事って、技術だけじゃないんだなと強く感じた瞬間でした。

せめて、うちで静かに最期を迎えたいわね。(患者さんからのひとこと)

ご病気の影響で余命宣告をされていた方からのひとことです。
なんのためにリハビリを行うのか、誰がリハビリをするのか。原点であり、リハビリのすべてであることを教えていただいたひとことでした。

 

まとめ

新人時代を振り返ると、技術や知識に偏った見方で利用者さんや患者さんと接していたと思います。

 

「だれのためのリハビリなのか?」

 

もし、利用者さん・患者さんが目指す方向がわからなくなっているとき、療法士が厳しい意見をお伝えする必要もあります。

なぜ、いまリハビリをがんばる必要があると考えているのか?

ここをきちんとお伝えすることも、療法士の仕事です。

 

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療法士活性化委員会 認定講師 吉田 頌平

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