デイサービスにおける作業療法の重要性と実践方法 〜デイサービスにおける療法士の役割〜

デイサービスにおける作業療法士の役割〜デイサービスにおける療法士の役割〜

皆さんこんにちは。作業療法士の内山です。前回は、デイサービスの概要について考えました。今回は、デイサービスにおける作業療法に焦点を当てて考えていきます。

作業療法とは? – 心と体のリハビリテーション

作業療法は、日本作業療法教会や理学療法士・作業療法士法で定義されていますが、簡潔に言えば「心と体のリハビリテーション」です。具体的には:

  • ADL動作:食事、入浴、排泄など
  • IADL動作:買い物、仕事、趣味活動など

つまり、日常生活のあらゆる活動や社会参加が作業療法の対象となります。アプローチ方法には以下があります:

  1. 直接的アプローチ:本人への直接的な介入
  2. 間接的アプローチ:人的・物的環境調整を通じた介入

この両方を行うことで、患者様・利用者様を包括的に支援できます。

デイサービスと作業療法の高い親和性

デイサービスと作業療法の関係性を言語化すると:

デイサービス「日常生活の自立を支援する」
×
作業療法「ADL・IADLなど活動・参加へのアプローチ」

この関係性をICF(国際生活機能分類)に基づいて考えると:

1. 活動・参加への直接的アプローチ

通所時のADL・IADL動作練習

2. 心身機能・身体構造へのアプローチ

個別介入や集団活動による身体機能訓練

3. 人的・物的環境の調整

デイサービス内外での多職種連携による環境調整

このように、作業療法はデイサービスと非常に親和性が高く、必要不可欠な存在です。

デイサービスにおける作業療法の実践

私が勤務するデイサービスでは、独自の表を作成し、作業療法の関わり方を可視化しています。主なポイントは:

  1. デイサービス通所目的のブラッシュアップ
  2. 「役割活動」の選定
  3. 身体的介入の選定

役割活動と身体的介入ともに作業療法士の専門分野ではありますが、全ての段階において看護師・介護士にも介入の一助を担ってもらうことを心がけています。そうすることによって作業療法のプロセスに則りながら関わりつつ、日常生活支援を行う中でも自立を促す視点を常に持ち続けることができるからだと考えています。

「役割活動」とは、通所時に利用者様自身が行うADL・IADL動作などの役割を指します。1日のスケジュールの中で各利用者様ごとに最低1個~複数個の役割活動を担ってもらっています。これにより:

  • 日常的なADL・IADL動作練習が可能
  • 自立支援につながる

全ての段階で看護師・介護士との連携を重視し、チームで自立支援を促す視点を持ち続けています。

まとめ:デイサービスにおける作業療法の重要性

  1. 作業療法は「心と体のリハビリテーション
  2. 活動・参加に中心軸を置く作業療法は、自立支援を促すデイサービスと親和性が高い
  3. 生活目標達成のための「役割活動」の遂行と、それを支える「身体機能の維持訓練」が重要

作業療法を効果的に取り入れることで、デイサービスの質を大きく向上させることができます。利用者様の自立と生活の質向上のため、作業療法の重要性をご理解いただければ幸いです。

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