みなさんこんにちは、
療活の林です。
皆さんは大腿骨頸部骨折の患者様がきた時にどのように評価・介入を行なっていますか?
実は大腿骨頸部骨折に限らずリハビリを行う上で大事な3つのポイントがあります。
それは
1.病態
2.リスク管理
3.リハビリ時期
3つです。
リハビリを行う上で一番注意しなければいけないことはなんだと思いますか?
それは
「今よりも状態を悪くしない事」
です。
そのために先に挙げた3つのポイントを確認しておくことが必要となります。
まず、第1段は病態について
病態の把握について大事な点は3つ
1.定義
2.疫学
3.原因
です。
まず定義について
骨折線が関節包内の内側か外側かで判断します。
関節包内での骨折を大腿骨頸部骨折、関節包外での骨折を大腿骨転子部骨折と分類します。
関節包内か外で骨癒合しやすいか違いがあります。
関節包内の骨折で骨癒合しにくい理由は以下の理由があります。
- 骨膜がない
- 血腫ができにくい
- 骨頭への栄養血管がない
- 剪断力が生じやすい
- 骨粗鬆症により再生力が低下
となっています。1)より
骨膜も血行がなければ新しい骨は作られません。
また、骨粗鬆症でそもそもの骨の弱さもあり、骨癒合しにくくなってしまいます。
そのため、廃用症候群の予防や早期活動復帰のため手術の適応となります。
疫学
・罹患数
・発生率
について説明します。
日本での大腿骨頸部骨折は2002年では約12万人、2007年では約15万人となっており、発生率が変化しないとすると2020年には約25万人になると推察される。2)より
つまり、我々療法士が診る機会が増えていきます。
現在は高齢化社会になっているため、
正しい知識を持って患者さん、利用者さんに接していきたいですね。
発生率は高齢者に多く、男女では女性に多くなっています。
理由として女性ホルモンの変化により、骨密度が低下し骨粗鬆症になるためです。
日本では大腿骨頸部の骨粗鬆症の患者数は約1,070万人(男性約260万人、女性810万人)と推計された。3)より
統計的も女性が受傷する確率が高いという事になりますね。
療法士としては、高齢の女性なら骨折するかもしれないという注意は頭に入れておくと良さそうですね。
原因について
以下の理由があります。
- 骨粗鬆症により大腿骨が脆弱化
- 転倒により受傷
- ベッドや敷居の低い段差に引っかかる
これに加え股関節に急激な外旋ストレスが加わることで骨折するという要因があります。
骨粗鬆症で骨密度が低下するため、メカニカルストレスに弱いため、生活環境も注意が必要となってきます。
気になるのは、段差に引っかかるという事についてです。
つまりは足が挙がっていないということになります。
転倒前からどんな身体機能だったか問診していくことも必要になりそうですね。
問診をしっかりとすることで入院から在宅まで円滑にリハビリが行えると思います。
まとめ
大腿骨頸部骨折の病態で大事なことは3つ。
1.定義
2.疫学
3.原因
まずは病態を知り、「今よりも状態を悪くしない事」をしませんか。
次回はリスク管理について説明していきます。
詳しく知りたい場合はこちら>>>大腿骨頚部骨折に対する評価とアプローチ法
療法士活性化委員会
認定インストラクター 林 凌磨
参考
- 森山英樹 著:骨折の病態. 運動器疾患の病態と理学療法, 医歯薬出版,東京,2015
- 日本整形外科学会診療ガイドライン作成委員会,
- 大腿骨頸部/転子部骨折診療ガイドライン策定委員会 改訂2版.東京:南江堂:2011
- 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会.骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年度版.東京:ライフサイエンス出版:
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