意外と知らない療法士が多い!リハビリの介入の流れを作ると、やっぱり便利![療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その71~]

意外と知らない療法士が多い!リハビリの介入の流れを作ると、やっぱり便利![療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その71~]

こんにちは!
モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。

「介入するときの流れ(フロー)がわかったら便利じゃないですか?」
モーションアナライシス講座を受講してくださった方から、こんなご意見をいただいたこともあって、そういえば介入フローってどうやって作ったらいいのかいろいろ考えてみました。その結果、ちょっとだけ介入フローの作り方に詳しくなったので、みなさんにも共有させてください!

そもそも「介入フローってなんぞや」という方はいますか?

臨床現場で「もっと素早く評価できて、基本的な問題点を抽出して、必要な介入プランを作成・実行できたらいいのにな〜」と1度は考えたことって、ありませんか??私はいつも考えてます、もっともっと効率よくできたらいいのにな〜と。いま抱えている基本的な問題点が分かれば、余裕を持って利用者さんとも関われるし、カルテだってまとめやすくなって、申し送りもとってもスムーズにできるようになるのに……ちょっとだけ、イメージ湧いてきましたか?

では、介入フローって、いったいどのようなものなのでしょう。実は療法士活性化委員会のやり方だったら「介入フロー」って作りやすいんじゃないか??って感じたので、さっそく下記でご説明いたします!

療活式・介入フローってどういうもの?

介入フローとは、主訴をベースに触診や動作観察で得られた情報を、順を追って考え方を選んでいくと、解剖学・運動学・神経学的根拠に基づいて、介入方法を見つけられるものです。

介入計画を立てる上で求められる「道しるべ」みたいなものですね。

療活では、触診をしっかり練習した上で、各部位への介入方法を習得でき、各部位の動きを動作につなげるための考え方を学ぶことができるので、ここでは『療活式・介入フロー』と呼びます。

療活式・介入フローを使うメリットは?

療法士と患者さん・利用者さんの双方の視点から、療活式・介入フローのメリットをまとめました。

療法士側のメリット

療活式・介入フローを使わない場合、主訴を伺ったあとにROM測定やMMT、対象となる関節の動きを確認し、これらの情報をもとに様々な教科書などを活用しつつ評価・考察して、介入方法を考えていきますよね。たまに専門書を読み込み過ぎて迷子になったりします。

しかし、療活式・介入フローを活用できるようになれば、評価・考察に多くの時間を割くことがなくなるため、介入時間の短縮・業務全体の効率化が実現されます。また、迷子になったとしても、介入計画の全体像を把握しているため、どこでつまづいたのか自力で見直すことがしやすくなります。

また、事前に介入計画を作ってから介入するため、患者さん・利用者さんに自信をもって関われるようになるようです。

患者さん・利用者さん側のメリット

上記の流れで介入計画が具体的になると、痛みやうまく身体を動かせない現象に対して療法士に相談しやすくなるため、心理的な不安が減り、治療に集中して取り組みやすくなります。

また、問題点が明確になってくると、どんな介入が必要なのかを患者さん・利用者さん自身はもちろん、関わる方々も納得できるようになります。そうすると、自分で生活するにはどうしたらいいのか、自分で考えるきっかけになります。

どんな場面で使われることが多い?

下記のような場面で、療活式・介入フローが使われることが多いです。

  • 初回面談のとき
  • 主訴を伺いながら、細かい動きを見せてもらうとき
  • ADLの実施状況を見せてもらうとき
  • 筋の硬結部位、関節の動きの硬さを評価するとき
  • ランドマークを触りながら関節の動きを把握するとき
  • 介入前後で動きなどが変わったのかどうか確かめるとき
  • 変化があった理由・なかった理由を考察するとき
  • 次回の介入計画を再度考えるとき
  • 他の人に自分の行なっていることを説明するとき

転棟前・退院前・転所前に、他部署のスタッフやご家族、他施設のケアマネージャーさんなどへの申し送りでも活用できますね。

介入フローに必要な基礎技術??

参考として療活式・介入フローの基盤になる、療法士に欠かせない基礎技術についていろいろご紹介します。

触診


触診、というとランドマークを知るためだったり、筋の走行を知るために表皮に色ペンで書き込んでいったりした記憶がおありかと思います。臨床の触診では、これにプラスして「筋と骨を触り分ける感覚」「エンドフィールを感じる力」「利用者さんに触れる自分の手の圧をコントロールする繊細さ」が求めれらます。

 

評価技術

 

ROMやMMT、感覚テスト、反射テスト、認知テスト、麻痺の回復段階…臨床現場ではいろんな評価を駆使して、利用者さんの状態を把握します。「ひとつひとつのテストの手順を知っていて、正確に行えること」も大切ですが、「評価した内容をもとに考えた介入が効果的だったかどうか?」を評価すること、すなわち再評価の手順も現場では大切ですよね。

理由はひとつ。
利用者さん、患者さんは「良くなりたいから」です。

評価の中には、介入技術も含まれるってことですね。

動作分析

 


患者さん・利用者さんにとってのゴールは「自分で生活できること」だったり「自分で何かができるようになること」だったりすることが多いと思います。
生活の中で必要な動きを獲得するためには、ただ一部の関節を動かせるようになるだけでなく、普段の生活でも苦労せずに身体全体を動かせることが重要となります。

動作分析を行えることで、動作の根本的な問題を見つけられ、患者さん・利用者さん自身が「自分で良くしよう!」と立ち直るきっかけづくりができるようになります。

まとめ

療法士に求められる基本的な要素がまとめられている記事を見かけなかったので、新人の頃に何を勉強していいのか迷ってこの記事を探していた僕のために書きました。

とはいえ今回書いた内容は、あくまで療法士の基礎部分であり、患者さん・利用者さんの状況によって、求められる技術や知識は異なってきます。
ですが、この基礎部分があやふやだと、いかに専門的で高度な知識・技術を知っていても、現場で患者さん・利用者さんに合わせて活用することは難しくなります。

療活式・介入フローを知って実践できることは、ムダな評価をなくして必要な評価をスムーズに行えることでもあるので、結果的に患者さん・利用者さんの目線に立った介入計画を考えられることにつながります。最後に個人的な感想ですが、自分が考えた介入計画が利用者さんの生活の質を高めることにつながった瞬間を楽しみつつ、もっと利用者さんに貢献できる可能性を将来の自分に感じられたときは、ホントにこの仕事をやってて良かったと思いましたよ。

いま、何をやったらいいのか迷っている方に、ぜひこの記事を読んでいただきたいですね。

おわり。吉田でした!

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療法士活性化委員会
認定講師 吉田 頌平

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