動作分析について〜動作のプロセス〜

こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。

理学療法士大塚久

 

前回は動作分析についてお話ししました。

本日は動作分析のポイントについてお話ししていきたいと思います。

 

以前の記事はこちら↓

動作分析について

 

 

動作分析のポイントとは?

 

動作分析のポイントは5つあります。

1.動作の観察

2.動作の要素の分解

3.動作の評価

4.動作の問題点の抽出

5.確認

 

これらのポイントを解説していきます。

 

動作の観察とは?

 

 

・目的の確認(why):人が動くには理由がある

どんな目的でその動作をやるのかを確認していきます。

 

・種類(what):目的とする動作は何か?

例えば、トイレに行きたいのであれば、そのために歩きたいのか、方向転換をしたいのか、ズボンを履きたいのかなどの目的とする動作の種類を確認します。

 

・環境(where):どこで動作をするのか?

トイレ動作であれば、病棟のトイレなのか自宅のトイレなのか、和式なのか洋式なのか、などを確認します。

 

・時間帯(when):いつやるのか?いつまでにやるのか?

トイレ動作であれば、朝・昼・夜のいつ行くのかだけでなく、何回行くのかなども併せて確認しましょう。

 

・方法(how):どうやっているか?

その動作をどのようにやっているのかを確認していきます。

 

動作観察というと、方法(how)に目が行きがちですが、その動作が起こるまでには動作のプロセスがあり、そのプロセスを踏まえた上で動作が起こっています。また、このプロセスが原因にも繋がってきます。

 

 

動作の要素の分解とは?

 

 

歩行、起立、寝返りなど動作は様々ありますが、これらの動作をそれぞれの動作としてみてしまうと問題点が繋がってきません。なので、これらの動作が何の要素で出来ているかを分解していく必要があります。

人の身体の関節の数は決まっているので、その関節に沿って分解していくと、動いていない・安定していない関節が出てきます。その関節はどの動作にも共通します。

 

例えば股関節を軸に見ていくと、右へ寝返る時に右股関節の内旋が出ておらず体重がかけられないという問題があるとします。

この状態の人は起立の臀部離床のときには右股関節内旋が出ないから骨盤が前傾せず体重が左側に偏ってしまいます。また、歩行では右の立脚期のときにあまり荷重がかかりません。

 

このようにひとつの関節を軸に動作を見ていくと動きが繋がってきます。なので、動作をみるのではなく動作の要素を分解してみるというのを意識してみてください。

そのときポイントになるのが頭頸部、肩甲帯、骨盤帯、足部の4つです。これらの部位が安定しているかをみてください。それから細かいところを見ていけばいいのです。

 

 

動作の評価とは?

 

 

動作をみるポイントとなる部位に注目して動作をみたとき、あまり動いていなかったりあまり収縮が入っていなかったりするような部位を見つけたら、その部位が問題点なのかどうか、評価しなければなりません。

 

例えば寝返りであれば、最初に頭頸部が動き、肩甲帯が前に出て、手を前に出していく動きがあります。この手を前に出す動きというのは、肩の挙上と水平内転の組み合わせ(複合運動)です。これらの動きをそれぞれ評価し、挙上がうまくできていなかった場合、そこをさらに詳しく見ていきます。肋骨、肩甲骨、胸鎖関節、肩鎖関節、肩甲上腕関節の動きがどうか、局所の評価をしていきます。

 

 

問題点の抽出・確認とは?

 

 

抽出された問題点に対して介入を行い、確認をしていきます。介入した結果動作がやりやすくなっているかどうかをみます。

 

徒手的介入をする前に、問題点と思われる要素を誘導したら動作がやりやすくなるかを見ると、介入がより明確になります。

 

介入後確認をしたら、その動作になってしまっている原因を探さなければなりません。原因を探すコツは次回お話ししていきたいと思います。

 

 

まとめ

 

動作分析について〜動作のプロセス〜

1. ひとつの関節を軸に動作を見ていくと動きが繋がってくるので、動作の要素を分解すると良い。

2. 動作の要素を分解するときには頭頸部、肩甲帯、骨盤帯、足部の4箇所に着目し、問題があればその部位の局所の評価をおこなう。

3. 問題点を抽出したら、すぐに徒手的介入をせず、問題と思われる要素を誘導したら動作がやりやすくなるかをみると良い。

 

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