こんにちは! モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。
前回に引き続き、起き上がり動作をテーマにお伝えします。
前回は、起き上がり動作をより効率よく簡単に行うためには、どのような肩の動きが必要なのかを整理しました。
今日は、起き上がり動作のなかでも
on-elbow〜on-hand時の肘・手の動きや役割、必要な3要素までを解説していきます!
On-handとは?
まず、on-elbowとは「肘をついた状態で上体を起こして支える」ことを指します。
起き上がり動作では、「側臥位から片肘をついて上体を起こす動き」を表現していることが多いですね。
そして、on-elbowの状態で手部(主に手掌面)に荷重していくことを
on-handと呼んだりします。
今回は、このon-hand時の肘・前腕・手関節の動きに注目します。
on-handでの肘・前腕・手関節
肘伸展しつつ、プレーシングできる?
on-handの状態では、肩は基本的に外転位となっています。
on-handでは肩外転位にて、手掌をベッド面で押して
身体を支えながら肘伸展を行なっていきます。
言い方を変えると、
「肩外転位でプレーシングしながら、
肘の伸展を行っている」状態にあると言えます。
このあたりは、前回のコラムが参考になるかもしれません。
(前回コラムは、こちら
→on-elbow〜on-hand中の肩の動きとは?|その役割と必要な3条件を解説)
前腕の回内外を痛みなくできる?
on-handの状態では
前腕を回内し、手掌がベッドに接地できるようにします。
手関節を回内した状態で荷重していくにあたり、
事前に回外動作を痛みなくおこなえるか必ず見ておきましょう。
手関節を安定させるうえで、前腕骨間膜と尺側手根伸筋腱の働きが
重要となりますが、
前腕の回内外動作ですでに痛みが出ている場合は
起き上がるときに身体を支えることが難しくなります。
なので、まずは前腕の回内外動作を
痛みなく行えるかを見ておきましょう。
手指は伸展できる?
続いて、手関節に注目してみましょう。
on-handのとき、手関節は
肘伸展にともなって背屈位となっていきます。
このとき、手関節の屈筋・伸筋群を活用して
手関節を安定できていなければ、
支持側上肢への荷重は保てず、肘を伸展して
からだを起こすことが難しくなります。
先ほどお伝えした
前腕骨間膜と尺側手根伸筋腱の働きも大事です。
一方で、手指の伸展制限が強いと
手関節を伸展位に保つことがそもそも難しくなるため、
手指の動きを見ておくことも重要となります。
まとめ
肘・手の動きに注目してon-handの動きを分析すると
「肩外転位でプレーシングしながら、肘の伸展を行えるか」
「前腕の回内外動作を、痛みなく行えるか」
「手指・手関節の伸展を行えるか」
という3条件が必要、ということが考えられそうです。
前腕や手関節・手指の動きは問題がないのに
肘が伸ばせない…という場合には、
もしかしたら、それは支持側の肩だけの問題ではなく
「股関節」「体幹」の問題もあるかもしれません。
この点については、次回お伝えしますね。
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-
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-
座位・立位で肩を屈曲するために必要な、腹部~肋骨・胸骨~肩甲骨の動きのつながり方
-
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療法士活性化委員会 認定講師 吉田 頌平
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