こんにちは! モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。
これまで仰臥位・側臥位と、ベッド上姿勢を変えることで得られる影響をお伝えしてきました。
“まぁまぁ側臥位”でもOK!上手にベッド上姿勢を取れるようになって、ADL改善を目指そう![療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その90~]
目指せ「ADL改善」!ベッド上姿勢を変えて、誤嚥リスク低下へ![療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その91~]
今回はベッド上姿勢の第3弾・腹臥位 編です。
臨床において、絶対に取れる姿勢というわけではないけれど、知っておくとトイレもスムーズにしやすくなるので、ご紹介します!
腹臥位のメリット① 息を吐きやすくなる
ご高齢の方や、痛みがつづいているなどの要因で緊張している方のなかには、
よく息を吸う方が強くなっている方がいらっしゃいます。
理由としては、
- 年をとっていくと、肋骨は動きが硬くなるため
- 肺が膨らみにくく、酸素を取り入れにくくなるため
- 緊張状態では、息を吸うほうが強くなりやすいため
が挙げられます。
本来、息を深く吐くためには腹直筋などの
腹部筋群が働きますが、
息を吸う働きが強くなると、腹部筋の活動が抑制され
背部筋の活動が亢進しやすくなります。
腹臥位になると、胸郭が床面に押し込まれるようになるため
仰臥位や座位のときよりも、息を吐きやすくなるんです。
つまり、腹直筋などの体幹筋が使いやすくなるんですね。
この副次的効果として、「排便コントロール」がうまくなる点も見逃せません!
腹臥位のメリット② 排便がしやすくなる
まず、トイレで重要になるのが「直腸内圧を高めること」です。
簡単にいうと、便を押し出すときの力のことです。
便を押し出す力(直腸内圧)を高めるためには、腹直筋などの腹部筋群が働くことが重要です。
腹部筋の多くは肋骨を下に引っ張るように働きますので、
腹臥位で肋骨をさげるように圧力が加わっているのは、排便にも効果的なのです。
腹臥位のデメリット:姿勢をとる難易度が高い
メリットが多い腹臥位ですが、注意点があります。
それは、自分で側臥位まで取れる方でないと
この姿勢をとることは難しい、という点です。
あまり腹臥位を取ることがない、または腹臥位がとれない場合は半側臥位でもOKです。
ポイントは、「肋骨を下げて、息を吐きやすくする」ことですので
抱き枕をかかえて、半側臥位で深呼吸でも十分です。
もし座位が安定して保てる方であれば、座った状態で
クッションなどを抱いて深呼吸するだけでも
座位を保つ練習につながりますよ。
まとめ
離床を促すうえで、慣れないことが多くて不安になるかもしれませんが、今回ご紹介した豆知識が少しでもお役に立てば幸いです。
- 日常生活動作から動作分析を行えるようになりたい…
- 寝返りをもっと見れるようになりたい…
- ADLにつながる介入プランを作れるようになりたい…
そんなお悩みを解決する講座です。
【 特 徴 】
Basic・Assessmentコースで学んだ内容をもとに
寝返りの動作分析を、参加者同士で実践しながら学べます。
【 内 容 】
安定した体重移動の要となる、体幹の機能と特徴
座位・立位で肩を屈曲するために必要な、腹部~肋骨・胸骨~肩甲骨の動きのつながり方
安定して動けるために欠かせない、股関節と骨盤帯のつながり
- 各部位で重要となる部位へのアプローチ方法
・体幹→脊柱、腹筋へのアプローチ
・肩→肋骨周囲へのアプローチ
・股関節→股関節前面へのアプローチ
わからない部分は、いつでも質問できるところも このコースの特徴です( ^ω^ )
Basic・Assessmentの内容を、実戦形式で復習することにもなりますので
実技の面でもレベルアップします。
次の一歩へ進むために、まずは自分の動きを噛み砕いて分析してみませんか?
療法士活性化委員会 認定講師 吉田 頌平
【療活講習会一覧】
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