新人必見?利用者さん・患者さんの状態が変わらないときに意識したほうがいいこと[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その85~]

こんにちは! モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。

冒頭から個人的な話で恐縮ですが、新人のころは触診も評価もボロボロでした。

新人のころは腱板損傷をされた患者さんに「なんでずっと、手を上げられないんだろう?」など、ひとつわからないと、次になにをするべきか考えが及ばなくなってました。こんな状態が繰り返していれば、患者さんの状態もなかなか良くなるはずがないので、先輩につきっきりでフォローしてもらっていました。

私自身も、まだまだ療法士として修行中なのでこういうことを書くかどうか迷ったのですが、思い出せるうちに「療法士になって利用者さん・患者さんの状態が変わらないときに意識しておいたほうがいいこと」を書いておこうと思った次第です。

これから療法士になる予定の方、療法士になりたての方にとって、ちょっとでも参考になれば幸いです。

 

介入するポイントを推測する

主訴を聞く

どんな場面においても、まず一番はじめにするのが主訴を聞くことだと思います。

覚醒の程度や認知機能によって直接的に聞くのか、周囲の人から聞くのかやり方は変わると思いますが、ひとつ言えるのは、なにに困っているのかを共有する、ということです。療法士も利用者さん・患者さんも、お互いになんのためにリハビリを行うのか確認できると、アプローチの角度を考え直しやすくなります。

また体の状態を利用者さんが自覚することで、自分にどんなことができるか考えやすくなります。
生活の主体は利用者さんなので、主訴を聴きながらご自分でどう生活したいのか考える時間になるとなおGoodですね。

評価をする

分野にもよるとは思いますが、最初は情報を集めて整理することが多いでしょう。私の場合は整形外科で勤務を始めたので、解剖学の教科書で触診部位を確かめたり、手術のやり方の特徴を調べたり、運動学で必要になる動きを整理したり、関連する筋・骨を家族の体を借りて触診する練習をして患者さんの身体機能を評価した記憶があります。

何にしても、どこにアプローチしたいのかを忘れずに。私は1年目に、腱板損傷 Ope後の方の運動プログラム開始時期を、運動学的な知識が不足していて間違えそうになりました。

その方の生活はいま、どんな状況なのか?
主訴をもとに考え直して、プログラムを修正することはできましたが、このときはなにに困っているのかを共有する手順が抜けていたためにうまくいかない状態になっていました。

考察

考察でよくやってしまっていたのは、「自分の意見と評価で知り得た情報の境目がわからなくなる」まとめかたをしていたことです。

評価は、客観的に患者さんの状況を見て得られた情報で
その情報を、どうすると今後、状態が改善するのか推測するのが考察です、

「手が上がらない」という主訴を詳しく評価すると、早くから肩甲骨が挙上するクセがあり、
このクセが出ていると、肩が痛くなって手が上がらないことがわかった。
以上の評価から、肩甲骨の早期挙上が出てくるクセを押さえて肩を動かせるようになれば、手が上がりやすくなるかもしれないと推測することが考察です。

あくまで推測のひとつに過ぎないので、「これ以外にも要因はあるかもしれない」と考えておきましょう。

推測をもとに介入し、再評価する

主訴や評価、考察から介入するポイントをある程度絞りこんだら、ひとつずつ介入してみましょう。
ひとつずつ介入することで、どこが問題点だったかわかりやすくなります。



例えば、「手が上がらない」という主訴に対して、肩甲骨の早期挙上と回旋筋腱板の筋力低下があると推測したとします。

ここで、
・回旋筋腱板のトレーニング

・肩甲骨の内転エクササイズ

・仰臥位と座位でのROMエクササイズ

・ペグボード…

のように、考えたプログラムを一気に行うと、結局どこが問題だったのかがわかりにくくなります。



そもそも回旋筋腱板は上腕骨と肩甲骨をつなぐ筋肉なので、肩甲骨がうまく動かせないと回旋筋腱板もうまく機能しませんよね。

もし、なかなか状態が改善しない…という方には、ひとつ介入して評価することをオススメします。

 

「肩って、どんな動きが必要で、ADLでどんな役割を持ってるの?」と思われたら、こちらも参考にしてみてください。

【寝返りの動作分析】肩とはいったい何者なのか、みなさん気になっていると思います。[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その57~]

 

まとめ

私の経験をベースにいろいろと書きましたが、基本はもちろん先輩のやり方などを参考にしていただくといいと思います。そもそも職場に指導してくれる先輩があまりいない、いても忙しそうでほとんどつかまらない、という場合は、研修会で相談してみるのも有効ですよ。

 

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療法士活性化委員会 認定講師 吉田 頌平

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